第12話 この世界について
だって、まさかこんな事を言われるなんて思ってもみなかったからさ!
(えっ!? 嘘だろ?)
そう思ったんだけど、どうやら本当らしいんだよなこれがさ。
まあでも仕方ないよな、だって本当のことなんだからよ!それに俺はもう死んでるみたいだしな、
今更何を言っても無駄だって事は分かってるからな。
そんな訳で諦めて受け入れる事にしたのさ、そして聞いてみたんだよそいつにね。
「それでお前は一体何者なんだ?」
ってな、するとそいつは答えてくれたんだ。
(一体どんな奴なんだろうな)
そう思って身構えていたんだが、返ってきた答えは意外なものだったのだ。
そうそれは……なんと女神様だったんだぜ。
マジで驚いたわマジでさ、 いやそりゃ驚くだろ普通さ、
だっていきなり目の前に現れたと思ったら女神様だぜ。
驚かない方がおかしいってもんだろ。
しかもさ、そいつが言うには俺を生き返らせてくれるらしいんだよ。
(マジかよ!)
って思ったんだが、よくよく考えてみたら悪い話じゃないんだよなこれがさ。
だってそうだろ?
このまま死ぬよりも生きた方がいいに決まってるからな。
だから俺は言ったんだ。
「よろしくお願いします」
ってな、そしたら女神様は笑顔で答えてくれたよ。
まあそんなこんなで今に至るってわけなんだよ。
ちなみになんだけど、俺が死んでから既に半年が過ぎているらしくて今は春先らしいんだ。
道理で桜の花びらが舞っているわけだぜ。
(それにしても綺麗な景色だな)
と思いながら眺めていたんだけどふと思い出した事があるんだよ。
それはケンイチの事だよあいつ今頃何してるんだろうなぁって思っていたらつい口に出しちまったんだよ。
するとエルゼリア様が不思議そうな顔をして言ってきたんだ。
「どうしたんですか?」
って、 だから俺は正直に答えたんだ。
「いや、ちょっと考え事をしていただけだよ」
って言うと彼女は納得したようでそれ以上は何も言ってこなかったので安心したよ。
まあそんな事よりもこれからどうするか考えないとな。
そう思ったんだけどその前に聞いておく事があったんだよな。
それはどうして俺を生き返らせたのかという事だったんだよ。
「どうして俺を生き返らせたんですか?」
そう尋ねると彼女は答えてくれた。
「それは、あなたを勇者として召喚するためです」
と、そう言われた時は驚いたよ。
まさか自分が勇者になるだなんて夢にも思っていなかったからな。
でも同時に嬉しさもあったんだ。
だってそうだろう?
憧れていた職業に就く事ができるかもしれないんだぜ。
そう思ったら興奮してきたぜ。
それから俺は聞いたんだよ彼女にさ、
一体どんな世界なんですかってな、そしたら彼女は答えてくれたんだ。
まず最初に教えてくれたのが魔法についてだったんだよな。
なんでもこの世界には魔力というものが存在しているらしくてそれを使いこなすことが出来れば誰でも使えるようになるらしいんだ。
しかもその量は人によって異なり上限がないという事も教えてもらったんだよ。
「つまり、努力次第でいくらでも強くなれるという事なんですね」
と、俺は思わず興奮してしまったんだが、彼女は微笑みながら答えてくれたんだ。
「その通りですよ、だから頑張ってくださいね!」
ってね。
(よっしゃー頑張るぞ!)
って思った瞬間だったんだよ。
突然視界が真っ暗になって何も見えなくなってしまったのさ。
何が起こったのか分からず混乱していたら声が聞こえてきたんだよな。
それは聞き覚えのある声だったんだよ。
そうケンイチの声だったんだ。
(えっ!? なんであいつがここにいるんだよ?)
そう思ったと同時に意識が遠のいていったんだよ。
そして目が覚めたらベッドの上にいたんだぜ。
しかも隣にはエルゼリア様の姿があったんだよ。
どうやら彼女が看病してくれていたらしいんだけど一体何があったんだろうかと思ったんで聞いてみたんだけど、
俺と同じように記憶がないっていうんだよ。
不思議に思ったけどとりあえず起きる事にしたんだ。
そしたら今度は目の前にケンイチが現れたんだぜ。
「おお、目が覚めたようだな」
ってな。俺は思わず叫んでしまったんだ。
「なんでお前がここにいるんだよ!」
ってさ、そしたらケンイチが笑いながら答えてくれたんだよ。
なんでもエルゼリア様が女神様と交信して俺を生き返らせた事を伝えたらしいんだが、その時はまだ記憶が無かったから混乱したそうだぜ。
それで色々と話し合った結果、これからどうするかって話になったらしくてさ。
その結果俺が勇者として召喚される事になったらしいんだわ。
これが、
(マジかよ)
と思ったんだけど、よくよく考えてみたら悪くない話だと思ったんだよな。
だって憧れの職業に就けるんだぜ。
こんなチャンス二度とないかもしれないからなって思ったんでやってみる事にしたんだ。
まあでもその前にやらないといけない事があるんだけどな。
それは名前を決めることだったんだ。
というのもこの世界では名前がとても重要らしく適当な名前を付けてしまった場合大変なことになると言われていてな。
「じゃあ、どんな名前にしようか?」
って聞いてみたんだけど、彼女は笑顔で答えてくれたんだ。
「そうですね、あなたの好きな名前を付ければいいと思いますよ」
そう言われて俺は考えたんだよ。
(うーん、何がいいかな?)
そう悩んだ結果思いついた名前がこれだったんだよ。
その名も……
(よし決めたぞ! 俺の名前は今日からケンイチだ)
そう思った瞬間だったのよ。
突然目の前が真っ暗になって意識を失ったと思ったら目の前にはエルゼリア様の姿があったんだわ。
そして彼女が微笑みながら話しかけてきたんだ。
それを聞いた瞬間、俺は思わず叫んでしまったよ。
だってさ、まさか自分が勇者として召喚されるなんて思ってなかったからな、
でも同時に嬉しさもあったんだぜ。
何せ憧れていた職業に就く事ができるかもしれないんだからな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます