滲んだ手紙
瓶の中に入っていたにも かかわらず
雨が降ったわけでもないのに
その手紙は濡れていた。
ところどころで インクが滲んで
どうにか 残っていた 文字は、
それだけ。
書いたのは、女か。
先ほど集めた 光の欠片
淡く 弱々しい光
どれだけ集めても 輪郭が曖昧で
欠けているのは
自ら壊した故だとしても
悲しみが 元の形を拒むかのように
散った 魂の残骸
球の欠片を 空へと還して
男は、
もう一度 インクが滲んだ 手紙に 目を落とした。
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