第6話 スライム王 スラリム01
ぼくはスライムの王、スラリムだ。
どんな形にもなることができるし、魔法も使うことができる。
すべての攻撃に耐性があるし、すべての攻撃をつかうこともできる。
だから、ぼくを倒すことなんて不可能。
それで、王の一角に数えられている。
たぶん、ドラゴンの王でもぼくを倒すことはできないんじゃないかな。
戦うことはないだろうけど。
だって、ぼくは平和主義者なんだ。
こうやって、平原で草でもたべてわちゃわちゃしてるのが好きなんだ。
それなのに、最近ぼくたちの平原が脅かされている。
それは人間という種族のせいだ。
森とか平原とか川、湖に現れ、他の生物を排除する。
なんか平原を囲って、羊とかウマと飼いだした。
それだけならいいんだけど。
なんか他の動物を排除しだしたんだ。
彼らの囲いにはいるものは害獣、害鳥、害虫といわれて駆除される。
そればかりか狩りと言って、ゲームとして森の獣や鳥を殺しだしたのだ。
普通の動物は意味のない殺生はしない。
それなのに楽しみだけで命を奪うとは。
救いがないよね。
それで、王たちの会議で人間のことが議題にあがってるんだ。
この異種である人間をどうするかってこと。
ぼくは滅ぼしてしまうのがいいと思う。
そうすれば、自然に平和に暮らすことができる。
みんなそう思っていると思うんだけどな。
ただ、あの原初の悪魔、ケットシーだけは何を考えているかわかんないけど、あとは同じだろう。
さて、なんか向こうのほうへ人が集まってたな。
最近そういうのが増えてきた。
スライム狩りってやつだ。
教師が学生を連れてきてスライムを殺させるのだ。
べつに動かないまとでやればいいのに、スライム相手にそれを行う。
たしかにスライムは鼠やウサギと並んで最弱の種族だ。
っていうか、下級のスライムは戦うという意思さえない。
でも、経験をつんで知性を手に入れるとぼくのように最強になる。
それは何億分の一とかいう確率なんだけどね。
ぼくはなんかっわちゃわちゃ生きてたら自然にこんな風になった。
スライムキングへの道は険しいのだ。
続け若者よ。
ちがって、なんの努力もなかったし、ただ生きてきただけなのだ。
「おまえら、よく見ておけ!
これが火炎魔法だ」
いちばん年をとった人間が、子供の人間たちに言って杖から火の玉を放つ。
とるに足らない魔法だ。
その前で同胞のスライムが燃える。
とくいそうに胸をはる人間。
おもしろくないな。
ぼくは、人間たちのほうへすばやく走っていくのだった。
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