第2話

 ウエルは浜に腰を下ろした。正装だろうが、結局は明日にでも洗濯をしなければならない。砂がつこうがどっちにしろ手間は変わらない。水平線が遠くに見えた。晴天がまぶしかった。雲が点在していれば、あるいは曇天であれば、同情の慰めと自虐もできた。突然の土砂降りは、(ちょっと勘弁だな)。不運にへこむこと間違いない。ここが磯だったら来なかったかもしれない。濡れた岩を渡ろうとしてコケるのが目に見えている。が、磯でもよかったかもしれない。コケないように歩くことで感傷などに構ってられなくなるかもしれない。(仮定の話考えてる時点で、もうあれだな)。(ビール入りの水筒、もらって来ればよかったな)。長い時間、浜にいるつもりはなかったが、気がまぎれる、せめて飲み物を欲した。直帰せずに寄り道している時点で気分転換を催しているとは、自分で気づいていなかった。

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