第75話 スケルトンキングの後は・・・
青亀ダンジョンの最下層、地下40階へと着いたカイン達の前には、大きなスケルトンが剣を持ってこちらを睨んでいた。
「大きいにゃ。」
「そうだな。多分部屋に入ると戦闘が始まるんだろう。作戦は覚えてるな。」
「もちろんにゃ。」
「狙いは武器を持つ右手か、機動力を封じる為の足。そうだなダメージはまとめた方がいいから左足にしよう。ラックはスケルトンキングの盾を持ってる左手側に常に移動して足を狙ってくれ。俺は背後を常に移動しながら右手を狙う。動きは止めるなよ。スケルトンキングだって俺達を攻撃と動くはずだ。止まってたら攻撃の的になる。攻撃、移動、攻撃、移動だな。後はお互いの位置を把握してお互いにスラッシュが当たらない様に気を付ける事。」
「何度も聞いたにゃ。カインはアタシのおかんかにゃ?って言いたいけど我慢するにゃ。」
「いやいやもう言ってるじゃん。」
「心の声が漏れたにゃ。」
(全く、でもそれだけリラックスできてるって事か・・・良い傾向ではあるな。スケルトンキングを見ても脅威は感じない。さっき鑑定で能力を見てみたが、平均してCぐらいだ。力は強いけど俺達なら問題ない。よし!)
「行くぞ!」
カインが声を掛けると、二人はボスのいる部屋に入って行く。ボス部屋に入ると作戦通り、カインはスケルトンキングの右側を、ラックは左側をそれぞれかけていく。火魔法を天井に放ってスケルトンキングの注意をそらす間に二人は移動する。
そこからは作戦通りに行動が行われた。ラックは素早くスケルトンキングの左側に移動し、左足を狙って猫スラを放つ。スケルトンキングは叫ぶ事も動きを止める事もなく、ラックの攻撃が効いてるかどうかもわからないが、ラックはカインの作戦を信じ行動を続けた。
カインもスケルトンの右側を通り抜けて振り向きざまにスラッシュを放つ。スケルトンキングの右手にスラッシュが当たるも武器を手放すような事はしない。
(くそっ!!効いてるか効いていないのかわからないけど、武器を手放すまではスラッシュ攻撃継続だ。攻撃は必ず効いているはずだ。動き続けろ。止まったら攻撃を喰らうぞ。俺達がスケルトンキングの攻撃を受けたら致命傷だ。距離をとってジワジワ削るんだ。時間が掛ってもいい。安全に安全に、そして慎重に慎重に。)
カインとラックは、その後も愚直に遠距離攻撃をし続けた。攻撃を続けた成果は徐々に出始める。攻撃を受けるのがつらいのかスケルトンはその場をぐるぐる回るように動き、カインとラックを探している。
「ラック!効いてるぞ。そのまま続ける。もう少しだ。がんばれ!」
「わかってるにゃ。この為にいっぱい練習したにゃ。まだまだいけるにゃ。」
その後もスラッシュと猫スラの攻撃は続く。すると・・・スケルトンキングは耐えられなくなったのか剣を地面に突き刺した。左足が膝をついたのだ。
「今だラック!機動力が落ちたぞ。今なら盾で核を防げない。狙え!」
「わかったにゃ。」
ラックが、スケルトンキングの心臓部分にある青く光るクルスタル型の核へと猫スラッシュを放った。
スケルトンキングは慌てて盾で防ごうとするが、ラックの猫スラの方が一瞬早く、その攻撃はスケルトンキングの核を砕いた。
核を砕かれたスケルトンキングはその場で大きく倒れ込み、そのまま泡のように消えて行ったのだった。
「やったにゃカイン!!圧勝にゃ。」
「よくやったラック。ああ動き回って疲れたけど、その甲斐あって無傷でボスを倒す事が出来たな。」
(さてさてワープゾーンが出るか・・・それともエクストラステージになるのか・・・まあ普通に考えれば条件を知らないんだ。偶然条件を達成するなんてよほどの事がない限り無いとは思う・・・けど、前回は条件を運悪く達成したもんな・・・二度ある事は、ってまあ次が二度目だけど可能性はあるよな。)
スケルトンキングの魔石を回収し、ワープゾーンが出るか、出ないのか、今か今かと待っていると・・・
「ワープゾーンと色が違うにゃ。」
「ああ。」
(やっぱりエクストラステージか・・・そんな気はしてたんだよな~。あの時はAランクのゴブ一郎っていうゴブリンだった。今回は・・・)
ラックの言うように目の前には、いつものワープゾーンとは違う色のワープゾーンが現れた。そしてその中から、腰にスカート巻いたスケルトンが現れた。
「呼び出て飛び出てジャジャジャジャーン。スケルトンスケ美ちゃんの登場だよ~。」
赤いスカートに赤いロッドを持ち、クルクルと周り乍ら登場してきたスケルトンに言葉を失うも、いつ攻撃を受けても良いようにスケルトンを警戒する。
「初めましてこのダンジョンのエクストラステージを担当するスケルトンスケ美よ。貴方達は亀五郎様のダンジョンのエクストラステージを攻略して人達ね。亀四郎様から聞いてるわ。・・・さてっと」
来る!とカインが思ったが、その後のスケルトンの行動は予想斜め上を行くものだった。
「殺さないでください!!!」
自己紹介したスケルトンスケ美はカインとラックの二人の前で頭を下げたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます