第24話 内戦(1)
「お前等、うちのひとにくだらん事をしてくれたから。皆殺しにしてやるよ。覚悟しな」
「うぅ、ううう」と相変わらず地面を枕にして横たわり、情けなく、嗚咽を漏らす僕を庇うように立ち。
でッ、ウルハは僕を虐めてきた男達へと吠えると。
僕のために争っているヤンキーのお姉さま達──。
そう、以前にも説明をしたけれど。
オーク種族は男女の婚姻は、女性が自身の財産である下着や衣服をね。
好意のある男性へと洗濯をして欲しいと嘆願。
それを男性が了承、洗って返せば。
その二人はめでたく夫婦になるといった習わしなのを僕は知らずに受け、洗い、返却をしていた。
だからあの時に、僕のために争ってくれた淑女、お姉さま、少女、幼い乙女達は、全部僕の妻だったから。
みんな僕のために男達と石器や骨器の刃を使用して、争いこそはしてはいないが。
お互いが肉弾戦で殴り合い、蹴り合いをおこないつつ争い。
集落内を二つに分けた漢戦士とアマゾネス達の戦争へと発展したから。
刹那──!
「うぎゃぁ、あああっ!」
「ぎゃぁ、あああっ!」
情けなく泣いている僕の周りは、男女の悲鳴! 絶叫! 奇声! 怒声! 罵声! が多々吠え、放たれる殺伐とした光景に代わっていた。
そんな殺伐している状態を更に混乱させるようにあいつが。
そう、あの集落内でも武に定評がある、一騎当千の猛者! アマゾネスでもあるウルハがね、罵声を男達へと放った訳だから。
「うぎゃぁ、あああっ!」
「ぎゃぁ、あああっ!」
「いてぇえええっ!」
「痛いよ」
「ウルハ、堪えてくれ」
僕のウルハが拳を出し、足を振りながら舞えばこの通りで。
僕を虐めた! 悪戯した! 男達の悲痛な叫び! 嘆願! 命乞いが多々増えていった記憶がある。
でもさ、僕を虐めた男達も、このままウルハは率いる強力なアマゾネス達に一方的に負け。
僕のように情けなく、地面を枕に横たわるのは、良しと思わないから。
「おい! このままだと、俺達が負けてしまう。誰かぁっ! 救援を呼んで来いー! それも沢山だー!」
僕が心の病にかかるほど虐めてきた癖に。
男達の中から、こんなつまらないこと。
そう、自分達はウルハ達から大変に酷い目、仕打ちに遭っているから。
救援と言う奴を求め、叫ぶ者も多々出たから。
「ああ、分かった!」
「俺が行ってくるよ!」
「儂が呼んでくるからぁっ! お前等ぁっ! それまで頑張れよ!」と。
こんな可笑しなことを平然と。
そう、自分達に非がある癖に、集落内へと救援を求めにいくから。
更にあの場は混沌とした、殺伐とした光景へと移り変わっていく。
◇◇◇
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