第69話 ウォードの答え
今後の方針として、王都を目指すことが決まった後は、色々と話をすることにした。旅の話をするのではなく、俺達の今後のことについて話をする。今回のスタンピードで、大切な人についての答えが出たからだ。
「みんなに伝えておきたいことがあるだ」
目的地が決まった後なのに、真剣な表情で話しかけると、4人とも真剣な表情で言葉を待った。
「今回のスタンピードで、僕にとって大切な人についての答えが出たんだ。僕にとってみんなは命に変えても守りたい存在で、これから先も許されるならずっと一緒に暮らしていきたいんだ」
「「!?」」
俺の言葉を聞いて4人は驚いた。
そんな4人に対して、俺は椅子から立ち上がって片膝をついて懇願した。
「本当に身勝手だと思う。でも、1人ではなくみんなと一緒に居たいんだよ。こんな我儘なことを言う僕と生涯を共にしてくれないかな?」
「「ウォード!」」
俺は4人にプロポーズをした。これから先の人生で、この中の誰かが必要なのではなく、俺には全員が必要だから。
4人は俺の名前を口にすると立ち上がった。目からは大粒の涙が零れ落ち、口元は震えていた。そしてハリエットが最初に口を開く。
「私は最初からそのつもりだったけど、改めて言われるとやっぱり嬉しい。これからもよろしくね。愛してるよ」
「ありがとう……」
続いてサーシャが口を開いたけど、号泣してるせいで言葉になっていなかった。
「好きな人と結ばれる。そんな夢が叶うなんて凄く嬉しい。ずっと愛してね」
メルローズは涙まじりだったけど、笑顔でハッキリと答えてくれた。
「嬉しい……、お母さんと同じように命が尽きるその時まで、ウォードを愛し続けます」
アナスタシアはセナを思い出したのか、上を向いた後に俺を見つめ直して返事をした。
4人は返事を終えると、俺の元へ一斉に飛び込んできたのでそのまま後ろへ倒れ込む。
「ちょっと、危ないよ!わわっ」
「「愛してる!」」
「うん、僕もみんなを愛してるよ」
俺の出した答えをみんなに伝えたことで、ハリエット、サーシャ、メルローズ、アナスタシアという4人の伴侶を得たのだった。
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