第36話 手頃な依頼を探して

 ガレリア馬運商会を後にして、ハンター協会へ向かって行く。


 目的は俺のリハビリと、メルローズがどの程度戦えるのかを確認するのに、手頃な討伐依頼を探すこと。


「僕としては5人での連携を考えたいから、ある程度の数の魔物討伐をしておきたいんだよね」


 俺達輝煌星きこうせいは個の力ではなく、全員の連携で戦うスタイルなので、戦闘経験の少ないメルローズに合わせた、連携を確立していく必要がある。


「私は全くの素人なので、みなさんに迷惑をかけてしまいますね」

「あっ、大丈夫だと思うよ?私もハンターになったばかりの素人だからね。ウォードさんは、私達の個性を活かした最善の作戦を立ててくれるの。メルローズさんは指示に従えば良いだけだよ」


 不安を口にしたメルローズへ、サーシャは自分も新米ハンターだと言って励ましてるけど、俺への評価が高すぎるような気がした。


「サーシャさんが新米ハンターなんですか?」

「新米だよ。ハンターになって1ヵ月くらいかな?ウォードさんが私を導いてくれたの。だからメルローズさんも信じてついて行けばいいよ」

「はい、判りました」


 いやいや、メルローズを安心させる為に色々と言ってくれるけど、俺に掛かるプレッシャーが半端ないんだけど……


 そんな話をしてるとハンター協会に到着する。


 日が暮れ始めた時間帯なので建物内の人は少ない。とりあえず掲示板で貼り出された討伐依頼を確認するけど、殆ど残っていなかった。常設依頼でゴブリン討伐があったので、それを受ける事にした。


「たいした依頼は残ってないね。とりあえず常設の依頼があるからそれを受けようと思うんだ。これなら受付への手続きも不要みたいだし、みんなはどうかな?」

「「異議なし!」」

「じゃあ、宿へ戻って明日に備えよう」


 明日からの討伐に向けて宿へ戻る前に、家馬車ルーロットを作るのに必要な材料を少しずつ集める事にしたので、みんなに声をかける。


「馬車造りの職人さんと話して、家馬車ルーロットを作れる目処は立ったから、少しずつ材料を集めて作っていくね」

「リハビリが終わる頃には家馬車ルーロットは出来あがるのかしら?」


 俺が少しずつ家馬車ルーロットを作っていくと伝えると、パミュルがリハビリが終わる頃には出来あがるのかと聞いてきたけど、流石にそこまでは無理だと答える。


「流石に完成は無理だよ。みんなを乗せて走れるようにするから、残りは旅をしながら仕上げていく感じかな?」

「じゃあ、走れる状態まで仕上がったらこの街を出る感じ?それなら馬運商会で馬の購入と操縦訓練を済ませないとね」

「そうだね。走行までの予定が立ったら報告するから、逆算して段取りを組もうか」

「「OK!」」


 俺の返事にハリエットが、それまでに馬の購入と操縦訓練をする必要があると言ったので、馬車の走行できる予定が立てば、期日に合せて準備を進める事にした。


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