第110話 思うままに進む事

 普通スタンダードエリアのマッピングを再開して、魔法地図マジックマップを順調に埋めていく事ができて、全体の7割のマッピングが終わった。


 試練の間ではハイゴブリンとホブゴブリンが現れたけど、普通スタンダードエリアでは今のところ普通のゴブリンしか現れてない。ある場所を境に上位のゴブリンが現れるかも知れないので、一応は注意をはらっていた。


 今日はダンジョンから戻る日だ。時間的に戻る頃合いだと思ったので、2人にその事を伝えておいた。


「次の行き止まりに当たったら戻るね」

「そうだね。次のマッピングで普通スタンダードエリアのマッピングは終わるかな?」


 ハリエットの言う通りで、次回で普通スタンダードエリアのマッピングは終了するけど、試練の間に挑むのか悩んでしまう。複数のホブゴブリンや、それ以上のゴブリンが現れると勝てないかも知れないからね。


普通スタンダードエリアの試練の間なんだけ、正直不安なんだよね……ホブゴブリンが複数で現れたりさらに上位のゴブリンが現れたら、勝てる算段が思い浮かばないんだよね」


 マッピングが終わるという事は、試練の間を見つける訳だから先へ進むには入るしかない。普通に考えれば、通って来た試練の間より強力になってると思うからだ。


「ホブゴブリンより上位ってたくさんいるの?ハンター協会では一纏めでゴブリンだったから、その辺りは詳しくないのよね」


 ハリエットがゴブリンの種類を聞いてきたので、俺の知ってる範囲で答えた。


「ホブゴブリン以外にも騎士ナイトゴブリン、将軍ジェネラルゴブリン、皇帝エンペラーゴブリンがいるね。騎士ナイトからは魔法も使うみたいだから、かなりの強敵になると思うよ」

「そうなんだ、それを聞くと試練の間へ入るのを躊躇うのも判るよ」


 俺とハリエットがそんな話をしていると、パミュルは俺とは違う見解だった。


「ウォードなら大丈夫よ。これまでも格上の魔物と戦っても、常に最善の策を取って結果を残してるでしょ?例え騎士ナイトゴブリンが現れても戦闘中に活路を見いだせるわ」

「これまでは運が良かっただけだよ」

「その運は〚幸運〛が必然的に導いてくれる。これまでの事を考えれば、ウォードの進む道は〚幸運〛な事ばかりよ。今回の普通スタンダードエリアへの繋がる試練の間も必要だから導いてくれてるのよ」

「〚幸運〛が導いてる……確かに上手く行き過ぎてる感じはするけど」

「心の思うままに進めばいいのよ」


 俺の進む道は全て〚幸運〛が導いてると言われると、不思議と納得してしまった。


(心の思うままに進む事が最善なのか……)

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