第81話 一休み
ハンター協会を後にしてからは、俺達は地図を頼りに借家へと向かう。メイン通りから小路を通って10分ほど歩いた場所に、簡素な塀に囲まれたアパートのような建物が見えたのが、俺達が3カ月ほど滞在する借家になる。2階建てになっていて、1階は10部屋で2階は5部屋になっている。俺達の部屋は2階の【201】なので部屋へ向かおうとすると、管理人らしき人に声を掛けられた。
「ここはハンター協会が運営してるアパートですが、何かご用でしょうか?」
「はい、本日より3カ月間ですが滞在する事になりましたウォードと申します。あなたは管理人さんなのでしょうか?」
「おぉ、そうでしたか。私は管理を任されている【グリッド】です。よろしくお願いします」
「グリッドさんですね。短い期間ですがよろしくお願いします。僕達は201の部屋を借りてるので失礼しますね」
管理人のグリッドとの挨拶を済ませて、俺達は階段を上がって部屋へと入っていった。
部屋へ入ると小さな部屋があって、ここで装備等を外して部屋着に着替えるみたい。その部屋を過ぎるとキッチンと食事室があって、そこから風呂や2つの寝室へ繋がっていた。
部屋を一通り見回ると、ハリエットが嬉しそうな顔をしながら喋りだした。
「かなり豪華な部屋だね~」
「キッチンも設備が整ってるから、腕によりかけて料理が作れるわね」
パミュルもキッチン周りを確認して、満足そうな顔をしている。ハンター協会から買物などをせずにアパートへ来たので、街へ買い出しへ行くかの確認をする。
「それは楽しみだよ。それでこの後はどうしようか?一応は
「私はこのままゆっくりとしたいかな?」
「今日は簡単な物を作って、お風呂へ浸かって旅の疲れを癒やしたいわね」
「じゃあ、今日はこのままゆっくりと過ごそうか。僕は風呂を沸かすからさ、2人はゆっくりしながら明日の買い出しで必要な物を考えておいてよ」
「「はーい」」
その後は、パミュルがあり合わせで簡単な夕食を作ってくれたので、『ササッ』と食事を済ませた後は旅の疲れを癒やす為に風呂へと入った。
ハリエットが大きめの風呂を要求した理由は、俺と一緒に入る為だったとその時に知った……旅の疲れ以外も癒されたので、俺的には大満足だったんだけどね。
そして寝る時は寝室が2つあるのに、2人が交互に俺と一緒に寝るルールを勝手に作っていた。
俺は別々に寝ようと断ったのに、こういう時は多数決で決めると言われて、2人に押し切られたのだった……
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