第38話 ルクンナ村へ
旅の準備を終えたので、予定通りにルクンナ村へ向かう事にした。
借家の掃除を綺麗に済ませてから、鍵を返却しにハンター協会へ寄って受付係に鍵を渡す時に、予想外の話を聞く事になった。
「おはようございます。借家の鍵を返却しにきました」
「はい、確かに受け取りました。あっ、そうだ!ウォード君のパーティーから離脱したミリムさんが、レイバンさんのパーティーを離脱して、レミーさんと新たなパーティーを組んで、タレビサを離れて行きましたよ」
俺は受付係からミリムの事を聞いて、内心は驚かなかったけど驚いたフリをする。
「えっ……そうなんですか?」
「何でもレイバンさんが大怪我をしたとかで、ハンターとしての活動が出来なくなったみたいです。それで、同じパーティーにいたレミーさんとパーティーを組んで、一緒に大きな都市へ移ってから強い方に武術指導を受けるんだと言ってましたよ」
「そうなんですね。僕のパーティーを離脱する理由が強くなる事でしたからね。ミリムが強くなってくれる事を願うだけです。では、僕達はこれで失礼します」
「ウォード君、タレビサ町のダンジョン攻略に貢献して頂いてありがとうございました♪」
受付係さんにお礼を言われて、俺とハリエットさんは顔を見合わせて笑顔で頷きあった。
俺のハンターとしてのスタイルが、周りの人に認められたと思い嬉しくなった。
ハンター協会を後にした後は、ハリエットさんが俺の手を握ってきた。
「良かったね♪ウォードのしてきた事は、決して間違ってなかったって事だよ。」
「はい、このスタイルでの活動に自信を持てました。面倒でしょうがこれからもよろしくお願いします」
「面倒だなんて、私はこのスタイルが気に入ってるんだよ。力が全てじゃないって証明出来るんだもん楽しくて仕方ないよ♪」
「そう言ってもらえると助かります」
「それで、ルクンナ村へは徒歩で行くんだよね?」
「はい、歩いて行っても3日で着きますからね」
「じゃあ、行こうか!」
「はい、行きましょう」
俺達はルクンナ村を目ざして、タレビサ町から北東へ向かって旅立つ事にした。
ルクンナ村までの道程は、整備された街道はないけど平原地帯を進むので、見晴らしも良いので突然の襲撃はないし、現れる魔物は小型の獣タイプが殆どなので、比較的安全だと言える。
俺は
「今日はこの泉がある場所まで進んで野営をしようと思ってます。余程のアクシデントが無い限りは夕方前に着けます」
「そこで飲み水を補給出来ると、旅が楽になりそうだね」
「それもあるんですが、ここの泉は【水葡萄】が取れるので楽しみにしてくださいね♪」
「水葡萄って高級フルーツだよね?」
「はい、直ぐに鮮度が落ちるので、なかなか市場に出回らないフルーツだから期待してください」
泉で取れる水葡萄のはなしをすると、ハリエットさんが早く食べたそうだったので、説明の後は少し早足で移動する事にした。
泉に着くまでの道中で3匹の
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