第29話 バトルルーム

 母さんに見張りをしてくれた。そのおかげで俺とハリエットさんは体調万全で朝を迎えた。


「母さん、おはよう!見張りありがとう♪」

「顔色も良いわね♪」

「パミュルさんのおかげです♪」

「さぁ、今日も頑張るのよ」

「「はい」」


 簡単な朝食を取ってからは、スライムの穴5階層の攻略を再開する。

 マッピングを進めると、この階層にも通常では入れない部屋がある事が判った。前回のようにお宝が眠ってるかも知れないので、魔法地図マジックマップに現れる空白ポイントの周りを隈なく探してみると、ハリエットさんが壁にスイッチのような物を見つけた。


「ウォード、これじゃないかな?」

「あっ、それでしょうね!僕が警戒するので、ハリエットさんが押してください」

「OK!行くよ」


 ハリエットさんが、スイッチを押すとドアが開くのかと思ったら……俺達は突然、部屋の中へと転移した。突然の出来事にハリエットさんは驚いてたけど、俺は慌てずに部屋の周りを見渡す。


「落ち着いてください。見た感じ罠部屋トラップルームでは無さそうです」

「うん、でも転移するなんて……」

「大丈夫ですよ。部屋の真ん中に1箇所だけ模様が違う床があるので、あれが外へ転移する装置なのかも知れないので行ってみましょう」


 俺はハリエットと手を繋いで、模様違いの床の上に一緒に乗るとスライムが現れた。俺の頭に浮かんだのは【バトルルーム】で、現れる魔物を全て倒さないと部屋から出れないという物だった。


「ここはバトルルームかも知れない。現れたスライムを倒していくしかないですね。アレは1階層のスライムですから僕が倒します」


 最初に現れたのは1階層のスライムなので、俺が剣で倒すとブーツがドロップしたので、回収して魔法鞄マジックバッグに収めると、少し間をおいてオレンジスライムが現れた。


「2階層のスライムですね」

「ウォードに任せるね」


 俺はスライムの動き出すのを見極めて、動いた瞬間の突撃に合わせて剣を向け刺す!


『ピュン!』『プシャ』


 直線にしか動けない相手なので、初動を見逃さなければ簡単に倒す事が出来て、腕輪を2つドロップしたので回収して魔法鞄マジックバッグに収める。やはり間をおいてからブルースライムが現れた。


「1階層のスライムかな?」

「違います。色が濃いので4階層のスライムなので、ハリエットさんに任せます」


 見た目は同じ青系だけど、1階層は水色に近い青色で、4階層は少し濃い青色なので、よく見れば違いを見分ける事が出来る。

 ただ、部屋は狭くてスライムとの間隔は5m、俺がハリエットさんの盾代わりに吐き出す石を剣で弾くと、狙いを定めたハリエットさんの矢がスライムを射抜くと、矢筒をドロップしたのでハリエットさんが回収した。


「初めてのドロップだよ♪」

「良かったですね。鑑定はこの部屋を出てからしますね」


 ハリエットさんの初ドロップを喜んでると、イエロースライムが現れた。3階層の高反発スライムなので俺が剣で斬り裂いた。今回は黄色い石をドロップした。この部屋はドロップ確定部屋なのかも知れない。そんな期待を持ちながら次のスライムが現れるのを待つと、オレンジスライムが現れる。5階層のスライムなのでハリエットさんの魔法で倒してもらう。


「5階層なので切断系の魔法でよろしく」

「はい、〚石刃ストーンブレード〛!」


 ハリエットさんの魔法がスライムを切り裂くと、指輪をドロップしたので回収して魔法鞄マジックバッグに収めて次のスライムを待っても現れないので、俺とハリエットさんは模様違いの床の上に立ってみる事にした。

 すると、床が光って気付くと部屋の外へと出る事が出来ていた。


「凄い部屋でしたね(笑)」

「うん、ある意味お宝部屋だったね(笑)」

魔法地図マジックマップもこれで全てを埋めれたので、6階層に降りましょうか」

「そうだね」


 想定外の隠し部屋を見つけて、ドロップを5つも得るという幸運に恵まれた後は、新たな階層となる6階層へと降りて行った。

 

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