第8話 速いスライム

 初めてのダンジョン攻略から借家に戻って、俺達は夕食を食べながら明日の話をする。


「今日は予想外のドロップがあったけど、買取りしなかったから利益は無かったね(汗)」

「スライムの魔石だけだと利益が無いから、駆け出しハンターばかりなのね」

「明日は余程のアイテムじゃない限りは、協会で買取ってもらう事にします。明日は早く出て朝からダンジョンに入って、1階層のダンジョンマップ完成したら下へ降りる感じでどうかな?」


 俺の考えを2人に伝えると、顔見合わて頷いてから俺の方に顔を向けて同時に答えた。


「「OK!明日も頑張ろうね♪」」


 夕食と話を済ませて、風呂で1日の疲れを流してから明日に備えて早めに就寝する事にした。

 この日はミリムが『寝付けない』と言って俺のベッドに入ってきた。断れなかった俺は次の日、当然少し寝不足気味になったしまった(汗)


 そして翌朝、目が覚めるとミリムの顔が目の前にあったので驚いた。寝顔ならともかく『じっ』と俺の顔見てたからだ……


「お、おはよう♪どうかしたの?」

「ううん、ウォードの顔に見惚れてただけ♪」

「見惚れるような顔じゃないよ(笑)」

「ウォードは自覚無さ過ぎだよ!この町に来てからもウォードが断トツでカッコいいよ」


 ミリムとハリエットさんに顔の事を言われて、恥ずかしいので直ぐにベッドから起きあがって服を着替えた。朝食はパンと昨日の残りのスープで済ませた後、俺達はダンジョンへ向かった。


 ダンジョン入口前の受付へ到着すると、ハンターは殆ど居ないのでスムーズに手続きが済んで、そのままダンジョンへと入れた。昨日は入るのに時間が掛かったのでミリムは嬉しそだ。


「少し早いだけでこんなに違うんだね♪」

「ダンジョンへ入る時は早めに起きようね」

「うん♪」


 気分良くダンジョンを進んで行きスライムが現れたら、ミリム→俺→ハリエットの順に倒す事にした。魔物が現れるシステムは判らないけど、ダンジョン内がフレッシュなのかスライムがたくさん現れてる気がした。


「ウォードの〚幸運〛って凄くない?」

「僕の〚幸運〛は天賦だからね(笑)」


 ここまで俺はスライムを6体倒したけど、指輪と短剣のアイテムを2個ドロップしてるんだ。ミリムとハリエットさんは魔石のみなので、確率的には異常な程にドロップだと思う。


 その後も1階層を移動してダンジョンマップが完成してので、2階層へ降りる事にした。


「下へ降りるのけど、スライムの特性が変わるから注意して行こう!」

「「OK!」」


 2階層は草原地帯で迷路ではなかった。面積は1階層と変わらないなら、マップを作るのは簡単だと思ったので2階層の端を目指した。


 草原移動してると『ガサガサッ』と草が揺れる音がしてので視線を向けると、オレンジ色の物体が飛んできた。


「うわっ!」

「ウォード!大丈夫?」

「あぁ、今の見た?オレンジ色スライムだ。1階層と違って格段に速いから注意して!」


 ミリムが棒を構えてスライム攻撃をするけど、速さに対応出来ずにこうげきが当たらないので、俺も剣を構えてスライムに攻撃を仕掛ける。


「ミリム、落ち着くんだ!動きは早いけど、直進しかしないから冷静になれば、攻撃は当てれる」


 俺がミリムに声を掛けた後に、スライムが襲ってきたので動き合わせて剣で突いた!


「ズブッ!」「ピュ…ぃ」


 俺の剣はスライムの核を貫くと、腕輪を残してスライムは消滅した。


「ほらね、落ち着いて相手を見れば、簡単に攻撃を当てれるだろう?」

「凄い!やっぱりウォードは凄い~」


 そう言った後に、駆け寄って抱きついてきた。

 

「ははっ、褒めてくれてありがとう♪倒し方も判ったよね?次からは任せたよ」

「うん♪任された(笑)」


 この後もダンジョンマップを作成しながら、俺達は2階層を移動して行った。

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