第6話 初ダンジョン

 翌日、俺達はダンジョンへ向かった。


 軽くダンジョンとスライムの事を調べた。

 初級ダンジョンの正式な名称は【タレビサ魔洞窟】と言うらしい。出現する魔物がスライムのみなので、通称【スライムの穴】と呼ばれてるんだね。


 スライムは【粘性生物】の総称で、実は各個体ごとに全く違う生命体なんだ。だから階層ごとに違う特性のスライムが現れるっていうのは、違う粘性生物が現れるだけなんだよね。場所が変われば違う魔物が現れると理解すれば問題無かった。


 各個体ごとに違う粘性生物なんだけど、体内にある核を壊さないと倒せないんだ。この世で最も謎が多い魔物がスライムだと言えるね。


 次はダンジョンに付いてなんだけど、ダンジョン内で魔物を倒すと死体は消滅するらしい。魔物は消滅する時に魔石かアイテムをドロップするから、それをハンターは持ち帰って換金する事で収入を得る。魔石は余りお金にならないけど、稀にドロップするアイテムはスライムの物でも結構な金額で換金出来るらしい。

 

「まぁ、スライムとダンジョンについてはこんな感じなのかな。2人とも判った?」


 ダンジョンに着くまでの間に、俺が調べて判った事を2人に説明をすると、ハリエットさんが少し顔を引きつらせながら話し掛けてきた。


「えっと……今の話は、食事をした後に借家に帰ってから調べたの?」

「そうですよ。協会にあった資料と僕が持ってる魔物の本で調べました」

「あの短時間でそこまで調べるとか……ウォードって凄く頭が良いのね」

「ウォードは本をいっぱい読むから、凄く頭が良いもんね♪」

「普通だよ?本を読めば書いてある事が自然に頭に入るからね。2人も読んでみるといいのに」

「「む~り~」」

「あっ……そうですか……」


 俺が延々と話してたので、話が終わる頃にはダンジョンの入り口付近に到着してた。


 入口の手前にハンター協会の建物があって、そこで入場手続きをすればダンジョンへ入る事が出来るみたいなので列に並んだ。

 周りを見ると殆どが10代中頃の駆け出しハンターっ感じの人ばかりで、ここでダンジョンというものを経験してから、次のステージへ進んで行くんだと思った。


「はい、次の方どうぞ」

「僕達3人でよろしくお願いします」


 受付係に3人のハンター証を提出する。


「はい、確認しました。午後からの入場になりますので、このカードを持って午後になりましたら入場ゲートにお越しください」

「ありがとうございます」


 ダンジョンへ挑む人が多い為に入場制限があり、俺達は午後からの入場だった。

 入場受付が落ち着くのを待った。落ち着いたところを見計らって、受付係にどんなアイテムがドロップするのか質問をする。


「あの~、ここのスライムってどんなアイテムをドロップするんですか?」

「色々出るんですよ。多いのは装備類でアクセサリーが出たら大当たりかな。効果付だとかなりの高値になるから頑張って討伐してね♪」

「はい、丁寧な説明ありがとうございました」


 午後からの入場なので早めに昼食を取る事にしたしたので、食事をしながら受付係に聞いたドロップの事などを話して時間を潰してると、俺達がダンジョンへ入る時間が来た。


 さぁ、初めてのダンジョン攻略だ♪

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