哀歌〜追憶〜
序幕 太陽を失った世界の絶望
北の大神殿、
最奥頂上の祭壇に
——あの戦いから、
視界には
ここは美しくも
世界を存続させるために歴代の【
この場に存在する
今は姿形を保っている最愛の人も、遠くない未来に輝きの一つへと変わってしまうのだろう。
「……イリア」
ルーカスは
虹色の結晶の中に、慈愛に満ちた微笑みを浮かべて眠るイリアの姿がある。
「どうして……君は……」
何も言ってくれなかったのだろう。
犠牲になるとわかっていて、最後の時に微笑んでいられたのだろう。
もっと早く彼女と向き合っていれば。
失う事を恐れて気持ちに
あるいは道徳観など捨てて、ノエルに協力していれば——。
と、ルーカスの心に後悔が降り積もっていく。
「君を、守る力が……俺にはあると、思っていた。カレンを守れなかった、無力なあの頃と違って……。
……強く、なったと……俺は……っ!」
自分は愚かにも
ルーカスは拳を握り締めて、唇を噛んだ。
イリアと出会って——過ごした日々が走馬灯のように脳裏を巡る。
辛く悲しい中でも、彼女の想いと歌声に
想いを伝え、心を通じ合わせて掴んだ幸福な日々。
——けれど。
この腕にあった彼女のぬくもりは、もう感じる事が出来ない。
ただ、別れ際に贈られた愛の言葉と口付けが、忘れ得ぬ熱となってルーカスの胸を締め付けた。
「……イリア……。
君の歌が……優しく、俺の名を呼ぶ君の声が……聞きたい」
絶望に沈む度、彼女は心を
これまでのように、今回も——。
「俺を、救ってくれ……
あの暖かさを知ってしまったら、もう、一人で光のない道は……歩めない。
……お願いだ。俺を……置いて、行かないでくれ……っ」
ルーカスは込み上げた熱を目尻から
幾度、このように
しかし、
自分の声が
そうして、またしても大切な人を守れなかった事実をルーカスは痛感し、
(……痛い。……苦しい。
何も……考えたく、ない。
……このまま、)
ルーカスは脱力し、無機質な
受け入れ
(……眠りたい……)
——ルーカスは過去の幻夢に身を委ねた。
「
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