第17話 周国姫昌と呂尚の中原侵攻

 紀元前11世紀中頃、殷王朝時代末期、周国姫昌と呂尚は「中原侵攻作戦」を立案した。姫昌の息子の発と丹を特命官に任命し冀州や豫州の領主諸侯に官吏を派遣して外交交渉を開始した。


 さてここは雍州西岳崋山白龍観の本堂。

 観主太白は、執務室で信者の白龍観担当周国官吏と話し合っている。

「周軍本軍が洛邑に進軍する…?」

 周国の信者の官吏は身構えました。

「この事態は何か!西伯昌姫殿は、崋山白龍観に参詣さんけいし白龍廟と白虎廟に必ず礼拝を行い洛邑に進軍する許可を得る事を伝えよ!」

「仰せの通り申し伝えましょう」

 白龍観担当周国官吏は、冷や汗でいっぱいです。


 一方ここは豫洲中岳嵩山黄龍観の本堂。観主土黄執務室。

 観主土黄は黄龍観担当周国官吏と話し合っている。

 「洛邑を軍事拠点化したこの事態は何か!」

「申し訳ありません…」官吏は冷や汗でいっぱいです。

「中華圏中央を守護する黄龍様と麒麟様から周国本軍を守護されるとお思いか?」

「いいえ…」周国の官吏はつい本根が出ました…もう遅かった…

「そうか、周国本軍が雨期に黄河を渡るとは無謀極まりない無事に渡れると

 お思いか?」⒈

 周国の信者の官吏は冷や汗が吹き出ます。(´;ω;`)ウゥゥ

観主土黄は、怒りを込めて官吏にもう一喝した。

「西伯昌姫殿は、中岳嵩山黄龍観に参詣して、中華圏中央を守護する黄龍廟と麒麟廟に必ず礼拝し黄河を渡る許しを得る事を伝えよ!」

「仰せの通り申し伝えます」

 周国の信者の官吏は半泣きです(´;ω;`)ウゥゥ


 そして冀州北岳恒山黒龍観の本堂。

 観主辰星の執務室、黒龍観主辰星は黒龍観担当周国官吏に怒っている。

 周国の信者の官吏は、辰星に願う様に言いました。

 「周国は耆国の漳河流域の治山治水事業を引き継ぎます、

  また黒龍耆国分観も増築いたします(´;ω;`)ウゥゥ」

 がしかし観主辰星は

「この事態はその段階を越えています」

 辰星は怒りを込めて言いました。

「耆国を戦場にすることに中華圏北方を守護する黒龍様と玄武様はお怒りです!

 周国本軍は黒龍様と玄武様の守護を得られません!」

「申し訳ありません…」

 周国の信者の官吏の顔は涙と冷や汗でいっぱいです。

「西伯昌姫殿は、北岳恒山黒龍観に参詣して黒龍廟と玄武廟に必ず礼拝し耆国に進軍  する許しを得る事を伝えよ!」

「仰せの通り申し伝えます」

 黄龍観担当周国官吏は、西方の周原と北岳恒山を何度も往復して過労死寸前です。 (´;ω;`)ウゥゥ


 白龍観太白観主、黄龍観土黄観主、黒龍観辰星観主は対策をテレパシーで協議した。

 この軍事危機に対して、五龍観は戦禍から逃れて来る避難民を受け入れる事を観主たちは確認した。


 ここは雍州周原の役所. 特命官の発と丹は、冀州や豫州の領主諸侯に対しての外交交渉の成果を姫昌に報告した。

 まず丹の報告は、冀州黄河北岸邑群の魯邑の領主基と副官の弟創は周軍に従軍し出兵する約束をした。魯邑は息子の英が守る事になる。 

 魯邑の領主は、耆国の耆氏と銅鉱山を共同で運営している。しかし鉱山技師や鉱山夫を派遣していたが彼らと連絡が途絶えた。


 また絹織物工房縫の工匠箪氏、漆器、刻漆器工房の工匠現当主諸氏、そして陶磁器工房工匠現当主朱氏も周軍に従軍し出兵する約束をした。

 

 次に発の報告は、豫洲黄河南岸邑の鄭邑の領主は次男にいと共に周軍に従軍し出兵する約束をした。

 鄭邑はゆいが守る事になる。

 鄭邑の領主は、耆国の耆氏と採石場を共同で運営している。しかし鉱山技師や鉱山夫を派遣していたが彼らと連絡が途絶えた。


 また陶磁器工房工匠蔡氏の現当主と絹織物工房の現当主羅氏は、周軍に従軍し出兵する約束をした。 

 彼ら工匠の狙いは、耆国の工芸品工房の取り込みです。太行山脈の陶土、鉱山、桑畑の耕作地の獲得。そして耆国の上質な絹織物を生産する絹織物職人と生産技術の取り込みです。


 姫昌と呂尚は「中原侵攻作戦」第3段階を開始した。

 姫昌は周原の防備に発を残しました。そして周国本軍を耆国に進軍する決断した。 

姫昌と呂尚、丹、召公奭しょうこうせきは、洛邑に向け周本軍を進軍した。⒉


 姫昌は西岳崋山白龍観を参詣しました。白龍観主太白と白龍観の関係者が姫昌を見守っていました。姫昌は、西方を守護する白龍と白虎に洛邑に進軍する礼拝を行いました。すると文王の耳元で白龍の声が聞こえてきた。 

 「西西、洛邑に行っても良いが黄河を下る時は

  中華圏中央を守護する黄龍に聞くがよい」

 姫昌は、周国本軍を洛邑に進軍させた。


 姫昌は、増水した黄河の軍船に乗船する前に、中岳嵩山黄龍観の方向を向き中央を守護する黄龍と麒麟に礼拝を行いました。

 すると姫昌の耳元で黄龍の声が聞こえてきます。

 「西、黄河を下っても良いが耆国に上陸する時は

  中華圏北方を守護する黒龍に聞くがよい」

 

 姫昌は、召公奭に対して黄河南岸の諸侯領主と共に黄河南岸街道を東進し冀州封丘ふうきゅう船着場まで周軍を進軍せよと命じた。⒊


 また姫昌は、丹に対して黄河北岸の諸侯領主と共に黄河北岸街道を東進し冀州漳河しょうが船着場まで周軍を進軍せよと命じた。


 その頃、黄龍斟群しんぐん分観では。

 修行者讃黄と思黄は、洛邑で周軍の動向を探索していた。2人は、周軍が東進すると判断しテレパシーで黄龍観主土黄と黒龍観主辰星に伝えた。

 黄龍は、不老不死の身体を既に修行者讃黄と思黄に与えいた。


 「周軍は10日後に黄河北岸漳河船着場と黄河南岸封丘船着場に集結する!」


 黄龍観主土黄は、邯鄲かんたん分観と殷墟分観に避難民を収容する様に命じた。⒋

 また黒龍観主辰星は、漳河流域の分観に避難民を収容するように命じた。


 第18話 黒龍と共に永遠の時を生きる つづく

本文の『』は引用

文末の数字は解説と引用


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