第35話行き着く場所
患者さんががクライアント」なんだ・・・。
> 「専業主婦に為れよ!子供が出来るんだし。」
> そんな事を軽々しく言って欲しくなかった。
> アタシには20人の受け持ち患者さんが居る。
> 毎朝20人分のバイタルを集めなきゃならないし、戦争だしナーバスでもあり重要でもあるんだ。
兎に角、ドクターに引き継がなきゃいけないし、私が最前線のディフェンスなんだから!
> MUSTなんだもん!一人の患者さんのバイタルが不調なら仕事はそこから
始まる。
> 終わり無き戦いに家庭の事情は見殺しにする。
> 夜勤とか日勤とか患者さんが居るから出来るのよ?
> あなたは生と死を見つめてないからそんな事が言えるんだと思うわ。
> そう言った朝、亭主は出て行った切り1ヶ月経っても2ヶ月経っても帰らな
かった。
> そして結婚は破綻した。
> 離婚後に8年間続いた彼が居た。
> もう・・・、どうにもなれって感じネ。
> 医療関係者かと言えば彼は(復帰)が担当で、元居た場所に返す仕事をして
いた。
> 直美の恋人佐和鳶一縷(さわとびいちる)は、PT・フィジカルセラピスト
(理学療法士)という職種だった。
> 私の様にランダムな勤務形態では無く時間から時間を渡り歩く勤務だったか
ら時間を
> 作り易いのに私は放ったらかしで、いつも夜勤ばかりじゃないのに!。
> 寂しい心はいつも泣いていた。
> アタシは何時までも待っていると思っていた?
> もしそう思っていたなら貴方は間違っていたわ。
> 私は一個の人間だし、貴方と同じくらいに生きて生活を営んでる。
> もしかしたらあなたよりもキャリアは濃厚かも知れない。
> 子育ての分だけ・・・。何も子育てに重きを置くから偉いとは言わないけれど、
貴方は待たせ過ぎて放置し過ぎたわ。
> だから宗像さんと付き合って結婚したらそんな事が繰り返されるかも知れな
いし、私は
> 子供に貴方を育てたから時間が無くて幸せに為れなかったわと、言いたくない。
> 仕事に生きる女としてそれは言っては為らない事!
> ナオミは葛藤の中で一人苦しみ悶え喘いでいた。
> 人間として社会人として男として女として母として保護者として、行き着く
先は何処なのだろう?
> お互い必要と感じている人物と場所。
> 夫を頼る事の無い幾許かのかの生活費を稼げる」職業を持っている事。
> 雨風を凌げる賃貸アパートではなく持ち家に限る。
> 人に言えば、夢物語として片づけられるナオミの主張ではあるが、これがナオ
ミの結婚の定義だった。
> 三田秀雄は大工であっても宮大工だ。丁寧に仕事をするが、モジュールの違
うサイトを往来している社寺に凝り固まった大工である。
> 仕事のスケジュールは一定ではなく、懇意にしている社寺の代表が必要とし
て呼ぶので一般的にメジャーではなく知る人ぞ知るマニアックな職業といえる。
>
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