私の枕草子〖冬〗

十六夜 水明

本文

冬は椿。

雪が椿に降りたり、少々かぶるは言うべきにあらづ。

白き庭に現る赤も、いとをかし。

少々ぬるくゆるびもていけば、氷柱より水垂れし。

滴が椿の葉に落ち行くは、つきづきし。

されども、その矛先、花に向かうは、いとあし。

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