幼馴染の彼女が記憶喪失になった結果【全五話・短編小説】
@Y-Yukinari
第一話 記憶喪失
第一話 記憶喪失
俺の名前は星野幸(ほしのこう)。普通の高校1年生だ。俺には、中学生の時から付き合っている恋人がいる。彼女の名前は十六夜神無(いざよいかんな)。文武両道で才色兼備な俺の幼馴染だ。そんな幸せな毎日を送っていた俺なのだが、その日常は何の前触れもなく終わりを告げた。彼女が交通事故にあったのだ。その話を聞いて俺は急いで彼女が入院している病院へ向かった。
そして、彼女の両親に「幸くん。君に伝えなければいけない事がある。」と言われて病院の外に連れ出された。なにか嫌な予感がする。「娘は…神無は君のことだけを一切覚えていない。それ以外のことは覚えているのだが…」と言われた。うん。やっぱりね。「じゃあ、一つ頼まれてくれませんか?」と彼女の両親に「神無に俺の存在を悟られないようにしてください。それが彼女が幸せになれる最善の選択だから…」そう言って俺は家に帰ることにした。そして、クラスメイトの陽キャに根回ししてすべてを終わらせる。そして俺の人生は終わりを告げようとしていた。
次の日、彼女は退院して学校に登校していた。俺は空気と同化していた。滅多な事がなければ気づかれることはない。
こうして、薔薇色の人生は灰色の人生にシフトダウンしていた。
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