ノイルフェールの伝説~プレアデスの翼~

朝霧 巡

AVANT

 何処へ行っても宇宙は無限の広がりで、自分自身を包んでいる。

 その深淵の世界が俺の世界だ。

 そこには何のしがらみのない漆黒が存在する。

 そこには一つのミスが命取りになる漆黒が存在する。

 そこには目に見えぬ細い綱があり、見いだせた者だけが明日への希望を手にしていく。


 何時の時代も、どんな時も、宇宙は人を変わらぬ姿で迎え入れる。

 奢りも気負いも無意味な世界。 あるのは、永久とこしえに広がる空間だけ。

 だから俺は、この場所が大好きだった。

 ありのままの自分で居られるような気がするから。

 俺という小さな存在でも、遮る物のない遥かなる世界へ旅立てると思うから。

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