(二)-9
二見もそこ加わり刀を相手に向けた。
相手は陸軍の軍服を着た軍人だった。闇でよく見えなかったが、襟章に星がついているのできっと士官であろう。
士官はサーベルを抜き侍たちへ向けている。圧倒的に不利な状況を自覚しているのがわかった。体がガチガチ震えており、サーベルにもその振動が伝わり小刻みに揺れていた。
帽子はきっと兵舎へ置いてきてしまったのだろう、丸坊主の頭が丸見えであった。ただ、その髪の下の目は死んではいなかった。死と敵と、戦って勝つ、勝てなくても誰かを道連れにしようという強い意志がみなぎった目であった。
(続く)
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