第12話 心中転移。
『グゥ〜........グゥ〜.........』『............................』
テントの中で眠りにつき。広場に小林のイビキが響く。
『ここが境目の階段があるのかな〜ほんとに〜あるとしたら。
まぁ私が先に見つけるんだけどね〜よしやるか〜本当なら早くやるはずだったのに〜』
ー スサッ! ガチャガチャ! ー
何かの布と金属が擦れる音がする。
『まぁ訓練の時にやったからこの装備は慣れてるんだけど、スパイを派遣すんのも日本みたいに働き方改革しないのかな〜?』
ー パカ!......シャン! ー
『これ手のサイズだけど...案外重い...けど切れ味がすごそう..........よいしょ!
背中に掛けておくと歩けるわ〜これで最深部に行ける〜』
『タッ...タッ................................』と階段から足音がだんだんと遠くなっていく...
ー パチ ー
夢がシャボン玉のように割れた。そして目が花のように咲いた。
『!?な、なんだ夢が終わってしまっただけか...ってあれ??古川さんのテントが 無い?古川さんの方は、電球があって光っているはず何に...』
『キュゥン!...ペタ!』とテントジッパーを外し裸足で外に出た。
『えっ?テントがないし、古川さんの服が折り畳んである...!?!?とりあえず
小林さんを起こさなきゃ!小林さんー!大変ですよ!』
テントにいる小林さんを蹴りながら、起こそうとした。
『何だよ...俺はまだ眠いから.....痛って、いや痛い痛い痛い!わかった!わかったって!もう起きてマスカラ!!ね!!もう蹴るやめようね!!俺敏感肌だから!!』
意外にもあっさり起きた。痛みには弱いのだろう。
『小林さん!古川さんがいないんですよ!テントもなくて、服だけおいているんですよ!これどうします?』
と話し後ろを瞬間、小林さんはさっきとは違った真剣な顔をした。
ゆっくりと深呼吸して下を見、口をあける。
『元間くん...ちょっと座ってくれないか。話がある。』
『はい?どうかしましたか?椅子なら座れますけど??じゃあ、、し、失礼します』
僕は近くにあった椅子に腰を置いた。
『元間くん、君に話をする必要があるのを忘れていた。』
『と言いますと?』
小林さんは顔をさらに深刻そうな顔をして話した。
『君はね。特別な存在なんだよ。今奴らが君の事を狙っている』
『えっ?そりゃ当たり前でしょ!?
『それもあるが...もっと大きな理由がある。
君がこの世の中を変えてしまう可能性があるんだ...話が長くなるんだけどな....
前から転生者が嫌いだったのだろ。君が転生者を殺せた理由もそれだと思うが..
元間くんは転生者の影響を受けていない数少ない人だ。
君の様な人間は転生者の邪魔ができる。
つまり異世界に行けると言う事なんだ。
今転生者たちは現代にある宗教、文化を壊し真世界を作る気だ。それで君は邪魔者扱いで狙われているわけだ。』
『けど小林さんだって古川さんだって...影響を受けていないじゃないですか?』
そう言うと、小林さんは深い呼吸をし話を始めた。
『僕らは、宗教関係者なんだ。僕は伊勢神宮の宮司で。
古川はルーマニア正教会から特殊派遣隊員なんだ。
なぜか、現在ある宗教の上層部は影響を受けておらず
おそらく転生者たちの遊び相手なんだと...
けど輪廻転生に関わる仏教は、秒で消された。
同じような考えを持つ宗教は先を考えると揉める可能性があるため
消されたのだろう。残ったは我々は本当に極致にいる。』
『.......そうですか...だから....僕の家族も.....文化も...主教も....歴史も....
全て奪うきなのか...』
下を向きながら...黒目を大きくして考えたが頭では何かを悟った。
『.........................................................................................。』
もう希望が見えない...世界が壊れる...もう戻れないのか....
.................................................................................................................................................
花びらが咲いた。
............................けど、何か失う物がないなら...それはメリットしかないのでは?.....
もう僕は戻る場所もない、けど作る事はまだ出来るかもしれない...この怯えている
自分はこのままで終わるのだろうか?これが僕の人生なのか?殺したら解決できると思ってもできない........
違う、殺してから考えるんだ。意味はあとからわかるんだ。
よくお母さんが言ってたな...突き進んでも
転けるかもしれないけど道があるかもしれないけど道すら変える事が人間にはできるって。..........................................................................
やっぱり、アイツらをやらなくちゃ。狂え。自分。
『で最深部はどこにあるんですか。小林さん。』
『ああ、そこの階段から降りれるよ...どうしたの急に。』
『タッ!タッ!!』と裸足で走り出した。
『———————やらなきゃ———————』
僕は裸足のまま近くにあったランタンをとって階段をおりた。
『!!ちょっと!!元間くんー!!!俺より先に行かないでくれよー!!』
小林さんが後ろから叫んでいる。
けど、すまないな。
もう行かなくちゃ。
ー 続く ー
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