「ただいま」

「おかえり、静夜……って、薪と松ぼっくりいっぱい拾ってきたな……」

「流架が拾ってこいって言うから……」

「いや、まぁ……ありがとう」

「どういたしまして」

流架に薪を渡すと、彼は薪を薪置きに置きに行く。静夜が薪を拾っている間にカレーは出来上がり、テーブルの上に用意されていた。

「遅かったな。何かあったのか?」

「ううん……大丈夫だったよ」

「んじゃ、食べるぞ」

静夜が席に着くのを確認し、輝は両手を合わせ「いただきます」と合唱した。

流架もそれに続き、皆それぞれカレーを食べ始めた。

「あ、このカレー美味しい! 輝さん、料理上手ですね!」

しのはカレーを一口頬張ると、目を輝かせる。

「だろ? おいらは料理担当だからな!」

「おかわり」

「あ、俺も」

枢と流架は空になった皿を輝に差し出す。

「早っ……」

「流架兄、相変わらずよく食べるね……枢くんもすごいや」

「おいらもおかわりしよう〜」

輝も空になった皿に、おかわりをよそう。

「うめ〜! じゃがいももホクホクで美味い!」

「やはり外で食べるカレーは格別だ〜!」

空と哉太は夕食のカレーを楽しみながら談笑する。

皆カレーを食べ終わった頃、空が口をひらいた。

「ご飯終わったらキャンプファイヤーの場所で花火しようぜ!」

「お、いいね! やろうぜ!」

「じゃあ、バケツに水入れてこよう」

「あ、僕も行く」

流架と静夜は一緒にバケツに水を入れに行く。

「あ、そういえばさ……コテージに戻る途中、静夜顔色悪かったけど大丈夫か?」

「え、大丈夫だよ。ちょっと気持ち悪くなっただけ」

流架と静夜はコテージに戻るとバケツに水を汲み、キャンプファイヤーの場所へ向かう。そこにはすでに他のメンバーは揃っており、空達は花火を準備をしていた。水が入ったバケツを傍に置くと、線香花火や打ち上げ花火など火を点けて色とりどりの花が空に打ち上がった。

「綺麗……」

パチパチと静かに火花が散るのを見て、李は思わず言葉が溢れた。

「ああ、綺麗だな……」

枢は静かに笑いかけると、一緒に線香花火をし始めた。パチパチと小さな火花が散り、やがてそれは大きな火花となり、そして静かに消えていった。



◆◆◆



「あ~遊んだ遊んだ!」

「もう、くたくただよ〜」

「明日に備えて早く寝ようぜ」

「そうだな」

「じゃあ、おやすみ〜」

それぞれコテージに入っていくと、流架と輝と枢も自分達のコテージへと入った。

「疲れた〜明日は早そうだし早く寝よう」

「そうだな……おやすみ、輝。枢」

「おやすみ〜」

「おやすみなさい……」

ベッドに横になり眠りに落ちるのはすぐだった。その様子をコテージの窓から赤い光がふたつ覗いていたのを流架達は知らなかった。

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