第3話 来週、戦いだって

 あっ、これもさっきの人が置いていったのか、ということは…と考えていると


 突如、右手の指輪が熱を持ち、スーツケースがガバッと開いた。

 覗き込むとスーツケースの中には、ブラックのコスチュームとヘルメットが入っていた。

 赤でも、青でもない黒。

 僕の名前その通りの安直な色。

 コスチュームを持ち上げてみると、その下にスマホが置いてあった。


手に取ろうとすると突然鳴った。表示には『レッド』とだけ出ている。

スマホは切れずになり続ける。

既におわかりとは思うが、僕はこういう場合、最終的に電話に出てしまうタイプだ。


「ようこそブラック!仲間になってくれてとても嬉しいよ」

 いきなり、爽やかな声が聞こえてきた。表示されたレッドがこの人物なのだろう。

「最初は俺も結構悩んだから、今の君の戸惑いは分かるから、何かあったら話聞くよ」

「えっ、はい」

 なんか知らないがマウント取られた。

「早速だけど、週明けの14日に怪人との戦いあるので、空けといて」

 会ったことない人に、いきなり戦いを告げられた。

「日付決まってるんですか?」

「当たり前だろ。場所と時間はそのうち送られてくるので見逃さないように、あと分かっていると思うけど、君は追加戦士なので僕らの邪魔しないでね」

「追加ってどういうことですか?」

「やりながら分かるよ、それまでにヒーローのルールを読んでおいて、じゃあね」


 一方的に電話が切れた。

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