第三部

第1話高校入学

 とうとう今日から僕の高校生活が幕を開ける。それに合わせるかの様に変わった事もあるんだ。


 それは男性が社会に普通に出て来ても大丈夫になった点だ。僕という存在が表に立った事で国が動いた結果との事。カメラの設置、警備の見直し、法の改正等様々な事が見直し改善された。それにより男性を見掛けたら襲うのではなく守ろうとなったらしい。その理由の一つに僕のアレが一役買っているらしい。定期的に供給出来る事で欲しい人は買える(収入によって値段は違うらしいけど)からランクが低い男性をわざわざ襲う事はないとの事。それに警察の人も無線で連絡を取り合いながら至る所に立っているらしいしね。


 また他の男性は少しでもランクを上げようとしているらしく、ほんのたま~にだけど男性を町で見掛ける事があるらしい。


 仮にだけど男性を襲った場合、拷問も行われるらしい…。その際は公開処刑とでも言えばいいのか分からないけど2度とそんな事が起こらない様に徹底的に見せ付け処刑するらしい…。どうかそんな事がないように願うばかりだ。



 まあ、色々変わってきてるという報告だね!─って、誰に報告してるんだろう、僕は?とにかくそんな事もあって高校へは歩いて行く事になった。その理由として歩いても安全だよと他の男性に対するアピールもあると総理から言われ頼まれたからだ。


 ─と、いうわけで僕、柚希、凛、風華、愛歌さん、可憐、遥、姉さんと一緒に高校の入学式へと向かった。梓希と優奈ちゃんと雫は羨ましがってたけどね。方向が違うからこればかりはしょうがないよね。




******


 高校に着いた時、1人の男子学生を遠目で見掛けた。仲良くなれるといいけど…。それにしても1人だろうか?もう少し居るかなぁと思っていたけど、やっぱり世の中の男性は少ないんだね…。みんなでクラス表を確認すると5人共に同じクラスだった。


 教室に入ると先程見掛けた彼もどうやら同じクラスみたい。後で話掛ける事にしよう。クラスメイトの女子は神クラスとか神様ありがとうとか色々騒ぎ立ててるけど…気絶する子はいないみたい…。不思議に思っていると、凛が教えてくれた。


「あの映像で多分だけど耐性が出来たんじゃない?」


…なるほどね…。アレ…か。



 ─入学式が始まると校長先生の話から始まり、それが終わると生徒会長の愛歌さんの挨拶が始まった…。


『…桜の花が咲き始め、温かい日差しが降り注ぐようになりました。新入生の皆様、この度はご入学おめでとうございます。在校生一同、心より歓迎申し上げます─』


 堂々と挨拶する愛歌さんは格好良かった。憧れの生徒会長という感じ。姉さんがいつの間にか副会長になってたのは今朝になって聞いた。もっと早く教えてくれればいいのに。

おっと、生徒会長の挨拶に集中集中!


『─ぜひ、この学校で充実した時間を過ごしてください。また、今年は男子生徒が3名も入学します。1人は私の彼氏です!テヘへッ/////』


 愛歌さん…それは要らなかったのでは?照れてる所はめっちゃ可愛いけど…。それにしても…見渡しても朝見掛けた男子だけしか姿見えないけど…


『─ちょっと惚気てしまいましたが…話を戻してっと…そんなわけで、男子生徒に対する嫌がらせ等迷惑行為等は控えて下さいね!その場合は言わなくても分かりますね?法も改正され罪が重いのも分かりますね?まあ…生徒会長として、私がそんな事させるつもりはありませんけどね…』


 男子生徒が通いやすいように学校を変えたと言ってたし、流石だね、愛歌さんは…。


『─以上をもちまして、歓迎の挨拶とさせていただきます…』



 ─その後、壇上に男子が呼ばれ、男子からの自己紹介の挨拶が行われる事になった。


『天使豊和です!今日からこの学校に通う事になりました。皆さんどうか宜しくお願いします』


パチパチパチパチパチパチパチパチ…


 盛大な拍手を貰い、隣のふくよかな男子にマイクを渡す。


『ふ、太塚健二郎ふとづかけんじろうだす…。み、皆さん…宜しくだす』


パチパチパチパチパチパチパチパチ…


 蒲島君とは違い人が良さそうな感じ…。太塚君がマイクを隣の子に渡してるんだけど…やっぱり男…なんだよね?女装しているせいか女の子にしか見えない…。


『か、川合駿かわいしゅんです。よ、宜しくです/////』


パチパチパチパチパチパチパチパチ…


 マジで女の子にしか見えないな…。アレか?男の娘って奴か!?そしてふと気になったんだけど太塚君大丈夫か?川合君見て、何か見惚れてる様に思えるのは気のせいか?まあ、恋愛は自由だから…。後、もう一つ気になったんだが…川合君の僕を見る目大丈夫か?やけに熱っぽく感じるんだが…。気のせいだと思いたい…。




******


 そんなこんなで入学式も終わりクラスへと戻る。川合君も同じクラスみたいだ。さっきは全く気が付かなかったよ。担任の先生がやって来た……。新菜さんだ…。中学からこっちに異動になったみたい…。産休迄はこのクラスを受け持つらしい…。無理はしないでよね?


 ─新菜さんの挨拶、そして自己紹介等が終わると、今日はもう帰るだけになった。さあ、男子生徒に話し掛けてみようか…。友達になれるかな?そんな僕の元に、


hello my hubbyこんにちは私の旦那様♡」


 このクラスの金髪の女子生徒が話し掛けて来たんだ。





 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る