第4話
幼稚園生の頃、人より勉強が得意でした。
二つ上の兄が軽度知的障害で勉強が苦手で、兄が受講していた映像教材を少しだけ代わりにやっていたのもあって、周りの子に比べて少しだけ勉強ができました。
それでもやっぱり要領が悪くてある程度までしか上達しなくて、小学校に入った途端周りと対して差がないことに気づきました。
何人も自分より頭のいい人がいて、ひたすらに劣等感を感じていました。
印象に残っているのが、2年生の九九の授業。
全て覚えるまでテストする授業で、自分はクラスで下から二番目でした。
勉強はできる方だったのもあって先生には手を抜いていると思われ、周りの子からも陰で少し言われていました。
思えばあの頃から自己肯定感が低かったように思えます。
それまでは自慢できる部分だったのもあって、一気にやる気も失ったことを覚えています。
周りに適応できるコミュニケーション能力がなかったので、少しいじめられていました。
暴力は少ししかなかったけど、陰口を言われたり、直接悪口を言われたり、クラスの中で孤立したりとかその程度です。
友達もいたのでそこまで辛くなかったと思います。
中学に上がった時、同じクラスにいじめっ子がいなかったので、マシになるかなと思っていました。
でも、また別の人に目をつけられました。
理由はやっぱり地味だからとか、周りに馴染めていないからとかそんなものでした。
エスカレートしたわけでもなく、陰口とか程度でした。
結局コミュニティが変わったところで自分はこうなるんだなと思って、いじめ以上にそれが辛かったことだけ覚えています。
中学3年生の頃、当時付き合ってた恋人と別れました。
受験生で、志望校に向けて勉強していた最中で、突然のことだったのもありあり得ないくらい病んで、一度死のうとしました。
結局死ねないで、勉強も頭に入らなくなって、行きたかった学校の偏差値を大きく下回ってしまい、親にも呆れられて結局行きたかったところのいくつか下の学校に変えました。
冬に、友達が突然「俺は今度死にます」という旨のことをSNSに書いていました。
他の友達を一緒に止めようとしました。
でもない心自分は、もしこれで本当に死んだなら羨ましいと思ってしまいました。
そいつは結局今でも生きています。
その時感じた感情は、今も胸に染み付いています。
結局変えた志望校は一年で辞めてしまいました。
子供っぽい理由で病んで、望んでなかった学校に入り、結局やめて周りに迷惑をかけてきました。
学生として生きてきて、失ったものは社会性と人間性、得たものは自傷癖と希死念慮でした。
ODして死のうとしたときも。首吊りで死のうとしたときも。
やっぱりいつも中途半端でした。
でも一番中途半端なのは、こんなやつでも友達がいて、死んだら悲しむ人がいることでした。
迷惑をかけても、ひどいことを言っても、深夜に急に「また死ねなかった」なんて送っても、優しく返してくれる人。
そんな人に迷惑をかけていることも嫌で、でもいなくなってほしくなくて。
どうせだったら皆んな私のことを嫌いだったら良いななんて、最低なことを今日も考えながら、醜い今日を嘆きます。
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