ただただ刀綱がわがままを言う。

刀綱一實

第1話 とりあえず欲しいもの

食べても太らない体が欲しい。


アイスクリームと鳥唐揚げのカロリーはゼロでもいいと思うのだけど、現実は非常なので食べても太らない体が欲しい。


普通は年をとるとカルビや唐揚げ、ポテトチップスなどが胸焼けにより食べられなくなるらしいが、私はずーっと好きなままである。唐揚げ六個にチャーハンをつけ、その後にショートケーキとポテトチップス食べても平気な異常者、それが私。


どうやら脂の消化機能が丈夫らしい。それなら代謝も人より多くしてくれと思うが、人生そうはいかないのであった。


あと私は、人より腎臓の機能がちょっと弱いらしく、水を大量に飲むと体にたまるだけなので、空腹を水やお茶で誤魔化すこともできない。ガッデム。


なぜ人体には、余計な脂肪を固形にしてかぱっと排出する穴がないんだろう。ウンコと一緒で人体に毒だと言うならワンタッチで排出させてくれ。頼む。




そうそう。これは関係ない話になるが、肉と魚は好きだけど野菜食べるのは嫌いな人間は、食べるのが好きって言っちゃダメだろうなという思いがある。


小説でも文学読めてないと読書好きとは名乗りたくないな、とかいうあの肩身の狭い感じと似てる。




とにかく、食べても太らない体が欲しい。人体に、「そろそろお前は飽食の時代になったことを学べ」って言って聞かせたい。飢餓モードと飽食モードの切り替えスイッチがあるとベストね。


こうやって毎日こんなに悶々としているのに、近所に唐揚げ屋が新装開店してしまい、さらに悶々する日々が続く。

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