ある日のクリスマス日記 番外編

『ジングルベ~ル♪ジングルベ~ル♪ふんふんふ~んふふ~♪』


〖ご機嫌ね、レイ〗

〖何を作ってるのかしら?〗

『いい匂いなのじゃ』

レイさんが厨房で何やら作ってます。匂いにつられて女神様たちがやってきたようです。


『天界樹様のお庭のリンゴ。とっても美味しくて沢山取れたから、お菓子を作ってクリスマスに届けてもらおうと思って。一日一個のリンゴは医者いらずっていうしね?あ、もちろん皆さんにも⋯あら?』


〖⋯医者いらず?〗

〖⋯何やら万能薬的な?〗

『⋯妾の庭、医神様に消されたりしないじゃろか?』ぶるぶる

仙桃や橘や杏の事件もまだ記憶に新しいのに、医者いらずの林檎⋯


『もう今更だろが。もう開き直ってみんなで若返りゃいいんだよ!レイ!鶏肉こんなもんか?』

『ええ。いい焼き目に照りね!匂いまで美味しいわ』

料理長が持ってきた料理にみんな釘付け!!


〖何それ、絶対美味しいって言ってる〗


『鳥のお腹にお野菜やお米、りんごなんかも入ってるのよ。周りに敷きつめたおイモや人参なんかのお野菜にもお肉の油やタレが染み込んでおいしいわよ』


〖味見させてくれないのかしら?〗

『見るだけは辛いのじゃ』

指をくわえそうな女神様に天界樹様に


『ん~周りのお野菜なら?お肉はまだだめよ』


〖〖『ええ~そんなぁ』〗〗

『俺はいいよな?作ったもんには確かめる義務がある!』ふふんっ

『そうねぇ。目立たないところを少しならね』

『うしっ!』ぐっ!

〖〖『ずるい~』〗〗もぐもぐ

ガッツポーズをする料理長を羨みながらもじゃがいもを食べる女神さんたち。


『みんな食いしん坊ね~』


〖レイが今煮てるのは?〗

『これはコンポートよ。リンゴをはちみつとレモン汁で煮るの。お肉のソースにしたり、ヨーグルトに入れても美味しいわよ』

〖甘くないの?〗

『大人用にはシナモンや赤ワインを使ったものもあるわよ』

〖『味見⋯』〗

『仕方ないわねぇ。はいどうぞ』

小皿に取り分けて渡してあげると

〖やった!〗

〖う~ん、しゃくしゃく〗

『おいしいのじゃ~』

『それは良かったわ』

みんな幸せそうな顔。


『あとは、アップルパイに、りんごのチーズケーキ、焼きリンゴ。アップルパイも好きだけどタルトタタンも好きなのよね。あとは、りんご飴とか?。リンゴとさつまいもの煮物とかクリスマスだけど食べるかしら?フルーツタルトやショートケーキなんかは源さんが作りそうよね。チョコもあるみたいだからブッシュドノエルも作るだろうし⋯ん?』ぶつぶつぶつ⋯


じーっ

『近いっ!?』

『レイ、それ、お前さんも作れるんだよな?』がしっ

『え?え、ええ。一応?』

な、なんで両肩掴まれて睨まれてるのかしら?


『作るぞ!全部!』

『えええ?』

全部?


〖当たり前よね?〗

〖ええ。当たり前ですね〗

『当たり前じゃな』

そ、そうなの?


『わ、分かったわ。作るから、ちゃんと聖域にも届けてね?』

〖もちろん!〗

ま、間に合うかしら?


『そうじゃ、レイ。頼まれていた布持ってきたえ?』

『あらあらまあまあ、ありがとう!』

『こんなに真っ赤な布で何を作るのじゃ?』

真っ赤なビロードのような手触りの布。


『うふふ。サンタ衣装は聖域に沢山ありそうだから、普段使い出来るポンチョを作ろうと思って。中側と、縁を白いファーにして、ポンチョのフードに獣耳をつけてプレゼントしようと思ったのよ。あとはお揃いのミトンの手袋もいいわよね。』

あの子はもふもふが大好きだもの。


〖絶対かわいいわね〗

〖スマホで映像を送ってもらいましょう!〗

『それは良いのぉ』

そうでしょ?


『それで誰が届けに行くんだ?』

〖そりゃ、私でしょ?〗

〖私ですよ〗

〖私!〗

『私です!』

『あ、あらあらまあまあ?』

母娘げんかになりそう?


『まあまあ、まだ少し先の話であろ?その時に決めれば良いじゃろ』


〖それもそうね〗

〖そうですね〗


そんなことがあった数日後


〖来たよ~♪〗

「ああ~♪」

〖うふふ♪元気だったかな?僕たちの愛し子は?〗

「あい!げんき~♪」

〖そうかぁ、良かった~〗くるくる

「きゃはは~♪」


しっかり主神様に出し抜かれた女神様たち


〖〖ああっ〗〗

〖主神っ〗

〖お父様っ〗

〖〖抜け駆け禁止っ!〗〗


「あ~♪」

〖ふふ。こうやってみんなで来ればいいと思って♪君たちなら僕のこと心配して追ってくるでしょ?〗くすくす

〖〖うぐっ〗〗

なんやかんや、尻に敷かれているようで、そうでない主神様によって久々に三人揃って聖域に降りたのでした。

「わ~い♪だっこ~♪」

〖あ~ん、もちろんよ~♪〗むぎゅう~

〖あ、お母様ずるい!次は私ですよ!〗



『ずるいは私のセリフよね?』ぐすん

『まあまあ、妾も同じじゃ。時期が来るまで我慢じゃ』ぽんぽん

『仕方ねぇから俺も付き合ってやるからよ』ぽんっ

『ありがとう』ぐすん

レイさん頑張れ!かわいい孫に会うために!



☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。

ちょっと仕事がクリスマス本番だったので遅くなりました。すみません。

フォロー、感想、応援などありがとうございます。

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