第51話 どうなった?

『いいか?お前たち、勝手に魔力を食ったらダメなんだぞ』

『そうじゃのぉ。いかに丈夫なレイでもああなるしのぉ』ちろり


小さな動物さんたちを窘める虎さんと天界樹の精様。

そして、レイをちらっと見ると


〖レイ、中々面白い形で固まってますね〗ふふ

『魔神様、撮影はよろしいのですか?』

〖一応してるけど、後で愛し子に見せるかは謎ね〗


何だか尺取虫のような形で固まってるレイ⋯


『⋯⋯』

魔神様やめてくださいな。補佐さんもいらないことは言わなくていいのよ。

そして医神様、はやく治してくださいな。シクシク⋯


〖分かりましたよ。ふふ〗


ぽわっ

『あ、体が動くわ。うううっ体が軽いって素晴らしい』

やっと腰が伸ばせたわ。


〖アホだな、レイ〗

〖そうですね。そこまでになる前に言ってください〗

『うううっ返す言葉もございません』

でも、アホは酷いわ武神様⋯


そういえば、くじ引きを引き当てた動物さんたちは?


もふもふっ

『あらあらまあまあ』

エルフさんたちの頭と肩が

『もふもふで満員ね』


ええと、りすさんに、うさぎさんに、お姉ちゃんの首に巻きついてるのは、

『コツメカワウソ?』

毛皮のマフラーみたいになってるわね。

それから、おさるさん⋯リスザルみたいね、それから

『カンガルー?いえ、この大きさならワラビーかしら。それに、ハリネズミ?』

肩に乗ってるけど痛くないのかしら?

『お父さんの腕に何か⋯赤いトカゲ、かしら?』

それから気になるのが、

『何だか数がおかしいというか、鳥さんたちがラブラブ?』

家族四人、全部で十匹になるはずなんだけど、鳥さんが

『なぜ四羽?』

十一匹になってるわよ?しかも番らしくて、お母さんと妹さんの頭の上にニ羽ずつ、止まってちゅっちゅちゅっちゅしてるのよね


〖それがね~こっちの青い鳥は番でそれぞれ別の紐を引いて、実力?で引き当てたらしいんだけど〗

『あらあらまあまあ、それは素晴らしいわね!すごいわ』

あんなにいたのに!夫婦で引き当てるなんて!


〖でもね?こっちの黄色い鳥さんは、離れたくなくて番で同じ紐を選んで引いたそうなんだよね〗ふぅ⋯

『あらあらまあまあ⋯それは』

どうなのかしら⋯とにかく、それが原因で数が合わなくなっちゃったのね。


『ええと、どうしたらいいでしょう?』

〖う~ん、ズルと言えばズルだし、でもあれだけの中から当たりを引き当てた運は無視出来ないし⋯〗

魔神様も困ってるわね


『こうなったら、妹の魔力を引き上げるしかないんじゃないか?な?鍛冶神』

〖そうだな。それに番の鳥の意思疎通の能力は高いからな。何かあった時に助けになるかもな〗

『おお!鍛冶神様がまともな事を?脳筋なのに、雨や槍が降ったらどうしてくれるのじゃ!?』よろり

〖なんだよ天界樹!オレは脳筋じゃねぇぞ。普段から色々考えてるんだよ。脳筋ってなら武神だろ?〗

〖おおいっ俺だって脳筋じゃねぇぞ!〗

〖脳筋だろ?〗

『脳筋だな』

『脳筋であろ』

うんうん。

〖なんでだよっ〗


『あ、あはは』

何だか変な方に飛び火したわね


〖ん~まあ、確かに利点は多そうなんだよね。どう?魔神ちゃん〗

〖そうね。まずは特訓して、様子を見ましょうか。それまでは仮候補ってとこかしら?〗

〖そうだね~〗

なるほど。じゃあ、とりあえず、保留ってことね


『わ、私、がんばります!この子達、離れ離れにするのは可愛そうですから!』

『私も協力するよ!』

『うん!姉様!』

うんうん。いい子たちだわ!私も負けずに頑張らないとね!


☆。.:*・゜☆。.:*・゜


お読みいただきありがとうございます。また、おまたせしてすみませんでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る