第25話 お名前決定

可愛い愛し子の上映会を終えて、

『あらあらまあまあ、孫が可愛くていい子で困っちゃうわ♪さあさあ、名前も決めちゃいましょう♪』

良かった⋯おばあちゃん、めちゃくちゃご機嫌!この隙に⋯


〖『せーのっ!』〗ぐいーっ ガラガラガラ⋯


〖ああ、また壁が⋯〗ぴかー

曲がりなりにも、ここは天界の宮、しかも要の主神様の宮。決してヤワではないはずなのに、おばあちゃん壁壊すの何度目?


〖はあはあ、助かった〗ぜえぜえ

武神様、新鮮な空気を補給中

〖これに懲りて迂闊なことは言わないことですよ〗ぴかー

工芸神様が崩れた壁を直しながら忠告


『いいから戻ろうぜ』

〖だな。俺たちまで壁の餌にされるのはゴメンだからな〗

おばあちゃんに気づかれないように救出に来た料理長と鍛治神様。でもまあ⋯


『あらあらまあまあ、せっかくのオブジェ抜いちゃったのね。残念だわ』ふぅ~

まあ、バカでかい筋肉が揃いも揃ってたら、バレるよね


〖い、いや、ほらな、せっかくなら全員でな〗

〖そ、そうですよ。それに、武神の馬鹿力でこれ以上、壁の穴が広がると修理が大変ですし〗

鍛治神様、工芸神様、背中に嫌な汗がっ


『まあ、そうね。穴は塞がないとね』


誰が開けたんだよ!


と、全員の心の声が揃ったが、誰も口には出さない。いや、出せない!


〖ま、まあ、ほら、せっかく候補が出たんだからさ、ね?〗

魔神ちゃん、お願いっ


〖そ、そうよ、あなたが説明してくれないと、ね?〗

なんで私に回してくるのよ?あとお願いっ


〖は、はい。読み方とか意味とか、貴方じゃないと、ね?〗

ええ?お父様もお母様も酷いですっ!


『そ、そうじゃよ。ほれ、早う!』

親子で解決できるであろ?何故妾を巻き込むのじゃっ!


みんな必死!


『あらあらまあまあ、そうだったわね』


候補に上がってたのは、

綺麗、凛、艶やか、優雅、雅、清々しい、涼やか

だったかしら?その中で使えそうなのは


『う~ん、綺麗のレイ優雅ユウガミヤビスズ、もうひとつ同じ字でリョウこの辺りかしらね』


〖なるほど~〗

主神様が感心している


『冒険者として登録される名はどんなものが多いのかしら?』

〖そうだな、咄嗟に呼びやすい名前が多いんじゃないか?〗

武神様が教えてくれる


『とすると、レイと、リョウあたりかしら?』


〖そうね。呼びやすいんじゃない?〗

〖ええ。いいと思います〗

まあ、そもそも愛し子が一生懸命捻り出した名前候補。反対する者がいる訳がない。あとは


『どっちにするかだよな』

そうなのよね


『綺麗のレイに、涼やかのリョウ、どっちがいいかしら』

どっちも捨て難いのよね


『ん~妾は、レイがいいと思うがの。こちらの方が あっていると思うのじゃ』

〖そうね。綺麗って愛し子が最初に上げてたしね〗

〖そういえばそうでしたね〗

女性陣がみんなレイの方に回ったみたい。となると?


〖僕は魔神ちゃんと同じで♪〗

〖そうですね。私もそれで〗

〖〖お、俺も!〗〗

『いいんじゃないか?』

『私も』

〖私もレイで〗

だって、魔神たちには逆らわない方がいいから(ね)な!


うん、何か裏の声が聞こえた気がするわね。


『それじゃあ、私の冒険者ネームは、『レイ』で決定ね!慣れなきゃいけないから、これから私のことはレイでお願いしますね』


〖了解♪〗

〖〖分かったわ〗〗


と、いうことで、元おばあちゃん冒険者レイの誕生です。


『あらあらまあまあ?まだなってないから、見習い冒険者(仮)ってとこかしらね?』


まあ、とにかく

〖愛し子、ありがとう!おかげで血を見なくて済んだわ!〗

平和に名前が決まって良かったね。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。

レイとリョウで迷ってたのですが、他サイトで感想で頂いた『レイ』を使わせてもらいました。ありがとうございました。

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