第33話 許さん

『ぴゅい~(うえ~ん)』

「〖『『ええええええ~っ!?』』〗」


まん丸もふもふひよこさん、

まさかの女の子!みんなびっくり!


みんな、今の今まで男の子だと思ってたよ。


だってだって


『女の子だったです?』

『でもでもなのです』

『ぼくって言ってたです』

『『『⋯言ってた』』』

『『『⋯』』』こくこくっ


だよね?だよね?


『ぴゅい~ぴゅぴゅぴゅぴゅ~(それはね~、ぼくが女の子だって分かったらね~)』


うん、分かったら?


『ぴゅいぴゅいぴゅぴゅぴゅ~「じゃあ、自分のこと『ぼく』って言うんだぞ。そういうのボクっ娘っていうんだ。異世界じゃ当たり前なんだぞ!」って言うから~』


「⋯⋯⋯」

聖一朗様、いや、聖一朗⋯呼び捨てで十分だ⋯

白い目で掛け軸を見てから、ひよこさんを見ると、穢れのないおめ目で何か違うの?と、首を傾げている。


「ぴよちゃん、だましゃれてりゅ⋯」

くっ純粋なひよこさんに、なんてことをっ


『ぴゅっ?ぴゅい~(え!?そうなの!?)』

「あい」こくん

人気がないこともないけど、みんながみんなそうではないです。


『ぴゅひ~(そんなぁ~)』

「ぴよちゃん」きゅっ

かわいそうすぎる~適当な名前に、きっとその名前を誤魔化すために僕っ娘にしたんだ!許さ⋯

『許せないねぇ』

『その通りね』

『同感だ』

〖さすがに庇えないな~あはは〗

⋯ん?おや?

『ぴゅい~?(あれ~?)』


『ひどいですーっ』

『かわいそうですーっ』

『許すまじですーっ』

『『『⋯許さん』』』

『『『⋯⋯』』』ふわふわこくこくっ


「うわぁ~」

『ぴゅい~(あれれ~)』

みんな掛け軸睨みつけながら怒ってます!


〖それで続きは~?〗

「あっ」

またまたそうでした。えっと?


「「俺の完璧なネーミングセンスで付けた名前だけどさ、もしそいつらが望んだら新しい名前付けてやってくれ」」


ん?付け直していいの?それなら付け⋯

『付けてやろうじゃないかい』

『そうよね。こんなの酷いものね』

『そうだな』

『『『付けるですーっ』』』

『『『⋯つける』』』

『『『⋯』』』こくこくっ

おおっ

みんな同じ思いだねっ

「ぴよちゃん、あたりゃちい、おにゃまえ、ほちい?」


『ぴゅいっ?(くれるの?)』

「あい!」

欲しいなら頑張って考えるよ!


ひよこちゃん、だんだんお目目がキラキラしてきたよ。


『ぴゅいっ!うん!ぼく、新しいお名前欲しいな!』


「あい!」

頑張って付けるよ!


『ふふ。楽しみだねぇ。ああ、それから、その『ぼく』っていうのも嫌ならやめていいんだよ』

そうだね!ママの言う通りだよ!


『ぴよ~ぴよぴよ(う~ん、今更治る気しないけど、新しいお名前つけてもらったら考えてみるよ~)』

「しょっか~」

そうだよね。簡単には治らないよね。


〖ふふ。じゃあ、後で君の名前と一緒に考えようね。それより、気にならない~?〗


「ほえ?」

何が?


〖さっきのセイイチロウの言葉、「そいつら」って言ったよね?〗


「ほあ?」

そいつら?そいつら⋯あっホントだ!


〖ね?言ってたよね~?〗

「あい!」

言ってた!どういうこと!?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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