第112話 おぬしの相手はこのワシじゃ

ーミナモ目線ー


能面の化け物

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!!!」


 化け物は叫びなら右手に白い剣を作り出すっ!! そして白い剣を振りかぶるっ!!


岩帝

「行くぞっ!! 鬼帝っ!!」


鬼帝

「はいっ!!」


 岩帝は化け物に飛び掛かるっ!! 岩帝の素早い拳のラッシュが化け物の顔面に決まるっ!! だが奴はビクともしないっ!!


岩帝

「っ!? ワシの拳が通じぬかっ!?」


鬼帝

「岩帝さんっ!! 下がってくださいっ!! 『鬼剣・乱れ裂ききけん・みだれざき』っ!!」


 師匠が素早く斬り付けるっ!! だが傷1つつかないっ!!


鬼帝

「っ!? 硬いっ!! これならどうだっ!?」


 師匠は両手で『紅時雨』を握り、大きく振り上げるっ!!


鬼帝

「『鬼剣・神速氷嵐斬きけん・しんそくひょうらんざん』っ!!」


 師匠は素早く、重い一撃を振り下ろすっ!! その瞬間っ!! 化け物は白い剣で師匠の一撃を受け止めたっ!?


鬼帝

「っ!? この一撃を防ぐかっ!?」


岩帝

「っ!? 鬼帝っ!! 退がれっ!!」


能面の化け物

「ぬぅうううううぅぅぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!!!」


 化け物の腹部から黒いとげのようなモノが出てきて師匠を串刺しにしようとするっ!! 師匠は後ろに跳んでその攻撃を回避するっ!!


能面の化け物

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!!!」


 化け物の出した棘の先端部分から白い光線が放たれるっ!!


鬼帝

「っ!? 『護剣・神楽舞ごけん・かぐらまい』っ!!」


 師匠は刀を振り回し白い光線を防ぐっ!! その瞬間っ!! 化け物は棘を引っ込めながら師匠に突進するっ!! そして白い剣で師匠に斬り掛かるっ!!


岩帝

「このオイボレの存在を忘れとらんかっ!? このバカタレがっ!!」


 岩帝が咄嗟に化け物の右横腹を殴って吹っ飛ばすっ!!


岩帝

「……硬いのぅ……。ワシの硬化したボクシンググローブで殴ったのに……こっちの手の骨が折れそうじゃわい……」


鬼帝

「岩帝さん、アイツ……」


岩帝

「分かっておる。戦えば、戦うほどに強くなっておるのぅ……」


鬼帝

「僕は一撃で奴を仕留めるつもりで戦っているつもりなんですがね……。なんと言いますか……うまく説明できませんが……倒し切れないって感覚がします……」


岩帝

「……鬼帝……。……奴はワシが50年前に倒した奴とはまったくの別モノと考えた方が良さそうじゃ……」


鬼帝

「……そうですね……」


岩帝

「……鬼帝、ワシが奴と戦う……。おぬしは隙を見て斬り込め……。奴はワシの拳は防ごうとせんかったのに……おぬしの剣は防いだ……。おそらく、おぬしの剣なら奴にダメージを与えられる……」


鬼帝

「しかし……」


岩帝

「この岩帝……。老いてなお健在である事をおぬしに見せてやるわい……」


 岩帝は両足を少し開き、左足を前に出す。つま先を少しだけ立てる。姿勢も少しだけ前傾になり、腰は少し落とす。顎を少し引く。


能面の化け物

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!!!」


 化け物は立ち上がり翼を広げて、空を飛ぶっ!! そして師匠目掛けて急降下して来るっ!!


岩帝

「じゃからワシの存在を忘れとるぞっ!! このマヌケがっ!!」


 岩帝の凄まじい右アッパーが化け物に炸裂し、再び奴は吹っ飛ばされるっ!! 岩帝は走って奴に追いつくと跳ねて踵を奴の腹に叩き込むっ!! 奴は地面に叩きつけられるっ!! 


岩帝

「おぬしの相手はこのワシじゃ。ワシを無視するとはセンスがないのぅ。いくら流動力があってもそんな残念な頭じゃどんな相手にも負けてしまうぞ。相手の力量も分からんのか? 未熟者めが。まぁ、そんな残念脳みそに何を言っても無駄かもしれんがのぅ。これなら壁やぬいぐるみに話しかけていた方がまだマシじゃのぅ」


能面の化け物

「ぬおぉっ!! ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」


 奴は白い剣を振り岩帝に斬り付けようとするが、岩帝はジャンプして避けるっ!! 奴は立ち上がると岩帝に白い剣を投げ付けるっ!! 岩帝は右手のボクシンググローブでそれを防ぐっ!! その瞬間っ!! ボクシンググローブが弾け飛んだっ!?


岩帝

「ほぉう」


 奴は白い剣を再び作り出し、岩帝に斬り掛かるっ!! 岩帝はその一撃を体を捻って避けるっ!! そして地面に着地すると左手に付けたボクシンググローブを外し、奴に投げ付けたっ!!


化け物

「ぬぎぃやぁっ!?!?」


 ボクシンググローブは奴の顔面にクリティカルヒットするっ!! 奴はその痛みで剣を落とし顔面を抑えて空中で悶えるもだえるっ!!


 岩帝は右手を地面に叩き付けるっ!! すると岩帝の右を中心に魔法陣のようなモノが現れるっ!! そしてそこからペリカンが出てきたっ!!


ペリカン

「おうっ!! ダンナッ!! 久しぶりじゃあねぇかっ!!」


 ぺ、ペリカンが喋ったっ!? あのペリカンは岩帝さんの使い魔っ!? でもペリカンでどうやって戦うつもりなのっ!?


岩帝

「ペリノスケッ!! 油じゃっ!! 油を出すのじゃっ!!」


ーミナモ目線終了ー

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