第13話 裸鬼との激突っ!! 現れる鬼の顔っ!!

 僕の拳と裸鬼さんの拳がぶつかり合うっ!!


鉄也

「っ!?」


 さ、さっきはあんなに簡単に吹っ飛んだのにっ!!


裸鬼

「何驚いてやがる? 別に『鎧』を扱えるのはお前だけの特権じゃあねぇんだよっ!!」


鉄也

「っ!?」


 裸鬼さんは僕の右の拳を左手で掴み床に何度も何度も叩き付けるっ!!


鉄也

「がっ!? ぐっ!? ぎっ!?」


ミナモ

「鉄也っ!!」


裸鬼

「ミナモさんっ!! 止めるんじゃあねぇっ!!」


 裸鬼さんは僕を放り投げ壁に叩き付けるっ!!


鉄也

「ぐがぁっ!?!?」


裸鬼

「鉄也は今っ!! 男になろうとしているんだっ!! 護られるだけのガキじゃあなくてっ!! 護れる男になろうとしているんだっ!! 邪魔するんじゃあねぇっ!!」


ミナモ

「分かった。地色。貴方の覚悟……認めます。ただし、減給です」


裸鬼

「えぇっ!?」


ミナモ

「どんな理由があろうと鉄也を傷つける存在は許さない」


裸鬼

「クソッタレエエエエエェェェェェェッッッ!!!! 鉄也っ!! 修業を続けるぞおおおおぉぉぉっ!!!!」


鉄也

「だって裸鬼さんっ!! 給料がああぁぁっ!!」


裸鬼

「ぐっ!? ぐぅっ!? や、安いもんさ……きゅ、給料の……は、半額くらい……」


ミナモ

「え? 給料4分の1にするけど」


裸鬼

「ごぶおぉっ!?!?」


 裸鬼さんが大量の血を吐いたっ!?


鉄也

「は、裸鬼さああああぁぁぁぁんっ!?!?」


裸鬼

「家賃払えない……。風俗行けない……」


ミナモ

「貯金あるでしょ?」


裸鬼

「ミナモさんに似ている風俗のお姉さんに全額使っちまったぜ……」


ミナモ

「え? キッショ……。何やってるの?」


裸鬼

「クソッタレエエエエエェェェェェェッッッ!!!! いくぞおおぉぉっ!! 鉄也っ!!」


 裸鬼さんの左跳び膝蹴りが飛んで来たっ!! は、速いっ!! 躱しかわし切れないっ!! これが悲しみと怒りが込められた膝蹴りかっ!?


 僕は咄嗟にジャンプして上に避けるっ!! 


裸鬼

「それで避けたつもりかっ!!」


 裸鬼さんは僕の胸倉を掴み床に叩き付けるっ!!


鉄也

「ぐっ!?」


裸鬼

「次の行動を予測しろっ!! そんなんだから受け身もマトモに取れないんだぞっ!! このクソッタレがっ!!」


ミナモ

「裸鬼。やっぱり今月給料なしで」


裸鬼

「ごぶぅっ!?」


 また裸鬼さんが血を吐いた。


鉄也

「真面目にやってよっ!!」


裸鬼

「だってっ!! 俺の給料がっ!!」


鉄也

「安いもんって言ってたじゃんっ!!」


裸鬼

「お前が言うなっ!! このボケっ!!」


 裸鬼さんが右足で踏み付けようとして来るので右に飛んで躱わすかわすっ!!


裸鬼

「ほおぉう。躱わすかわすか。俺は能力を使っているんだがな」


鉄也

「の、能力? だって……能力らしいモノは……」


裸鬼

「俺の能力は分かりにくいからな。炎を出したり、水を操ったりとか……そういう分かりやすいもんじゃあねぇ。俺の能力『ネイキッド・バーサーカー』は、裸になればなるほどに身体機能が増していく。俺がただただ褌でいるのをファッションだと思っていたのか?」


 お、思っていたっ!!


ミナモ

「思っていた」


裸鬼

「み、ミナモさああぁぁんっ!!」


 あ、ミナモさんもそう思っていたのか……。


 ん? 裸鬼さんの流動力が増してきているような……。っ!? なんか乳首が赤く点滅しているっ!!


裸鬼

「ゴホンッ!! 『ネイキッド・バーサーカー』は裸に近い格好で長時間いれば、いるほどに強くなるっ!! 能力を発動して大体5時間で最高出力に到達するっ!! 俺の両の乳首がっ!! 赤く点滅し始めた時がっ!! その合図だぜぇっ!!」


鉄也

「うわっ!! カッコ悪っ!!」


裸鬼

「ちょっ!? 『カッコ悪』って言うなよっ!! 結構気にしているんだぞっ!!」


 あ、やべぇっ!! あまりのカッコ悪さについ本音が出てしまった。


裸鬼

「まぁ、いいっ!! 鉄也っ!! さっさと能力を使えっ!! 能力無しで勝てるほど俺は弱くはないぞっ!! お前は『テン・バイヤア』との戦いで能力を出したはずだっ!!」


鉄也

「使えって言われてもっ!! あの時は必死でっ!! どうやって出したか覚えてなくてっ!!」


裸鬼

「なら無理矢理にでも思い出させてやるっ!! 文字通り死ぬ気で思い出せっ!!」


 裸鬼さんが右拳を振るうとすごい風圧を感じるっ!! 


鉄也

「っ!? な、なんだっ!?」


 次の瞬間っ!! 僕の間合いに入り込んで来たっ!?


鉄也

「は、速っ!?」


裸鬼

「ビビってる場合かっ!! この間抜けがぁっ!!」


 裸鬼さんの膝蹴りが僕のお腹に炸裂したっ!! 僕は壁に叩き付けられるっ!!


鉄也

「ぐっ!? がっ!? イッッタッッ!! やったなっ!! コンチクショウッ!!」


 僕は飛び跳ねっ!! 裸鬼さんの顔面に膝蹴りをぶち込むっ!!


鉄也

「硬っ!!」


裸鬼

「ほぉう。なかなかいい蹴りじゃあなぁい」


鉄也

「なっ!? ま、まったく効いてないっ!?」


裸鬼

「子供ながらいい蹴りじゃあないか。だが……この程度では通用せんぞおおおぉぉぉっ!!」


 僕の膝を掴んで床に再び叩き付けるっ!!


鉄也

「イッッタッッ!! こんのぉっ!! ウラアアアァァァッ!!!!」


 僕は膝を掴んでいる裸鬼さんの腕を思いっ切り殴るっ!! だが硬いっ!! まるで鉄の塊を殴っているようだっ!!


裸鬼

「その程度かっ!! この阿呆がっ!!」


 裸鬼さんはそのまま何度も何度も床に叩き付けるっ!!


鉄也

「グギィっ!? ガァッ!? グゥギィッ!?」


裸鬼

「そろそろ本気を出すぞっ!!」


 裸鬼さんは僕を空中に放り投げるっ!!


鉄也

「わっ!?」


 そして彼は褌を脱ぎ捨てるっ!!


裸鬼

「これがフルパワーだっ!! さぁっ!! 歯を食いしばれっ!!」


鉄也

「っ!?」


 裸鬼さんの強烈な右アッパーが炸裂したっ!!


鉄也

「ぐっ!!」


 い、意識が……ま、まだ……


鉄也

「ま……まだ……」


『退け。俺がやる』



ー裸鬼目線ー


裸鬼

「……」


鉄也

「……」


ミナモ

「……」


 やべぇ……。やらかした……。


 ちょい調子に乗って本気の一撃が綺麗に決まっちまった……。


ミナモ

「……」


 や、やべぇよ!! やべぇよ!! 俺の右拳の上で鉄也がくの字になってグッタリしてるよっ!!


 こ、これっ!! 死んでないよねっ!? えっ!? これ殺しちまったっ!?


 お、おいいいいぃぃぃっ!! 死んでねぇよなぁっ!? 死ぬんじゃねぇよっ!!


 これどうしたらいいんだよぉっ!?!?


 鉄也ああぁぁっ!!!! 目を覚ませええええぇぇぇぇぇぇっ!!!! 頼むうううぅぅぅぅぅっ!!!! 起きてくれええええぇぇぇぇぇぇっ!!!!


 この状況ってどうしたらいいんだよっ!? 床に叩き落とせばいいのっ!? ゆっくりと横にしてやればいいのっ!? おいいいぃぃぃっ!!


鉄也?

「おい、何故こんな事した?」


ミナモ

「っ!?」


裸鬼

「っ!?」


 な、なんだっ!?


 鉄也の雰囲気が変わったっ!? いや、雰囲気だけじゃあねぇっ!! 声もなんか違うっ!! なんか額に2本の鋭い角が生えてきたっ!?


 な、なんなんだよっ!? 何が起きてるっ!? 俺は何を呼び起こしたんだっ!?


鉄也?

「……」


 2本の角が生えた鉄也は俺の右手首を掴むっ!!


 ぐっ!? なんて力だよっ!! 能力の本領発揮している状態なのにっ!! 骨がっ!?


ミナモ

「『水蛇・撃すいじゃ・げき』」


 ミナモさんが水を蛇の状態にし鉄也を吹っ飛ばすっ!! 鉄也は壁に叩き付けられるっ!!


裸鬼

「み、ミナモさんっ!!」


ミナモ

「落ち着いて。……鉄也の体を乗っ取った人。貴方、何者なの?」


鉄也?

「……」


ー裸鬼目線終了ー


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