第39話 初飯テロ枠準備編(3)
「開拓者というのは魔素を含むモンスターを消化吸収して血肉へ
〈誰もが喰っててたまるかw〉
〈普通はダンジョンで長く暮らす事態にはならんのよw〉
〈喰うか喰われるか、バトルの決着は直ぐ着くし、保存食が無くなる程に長く潜らんわw〉
開拓者への
良かった~。
俺個人に対する悪口じゃなくて開拓者全体に向けられた言葉だと理解はしていても、悪口はドキッとするし嫌な気分になる。
流れを断ち切るのに成功したぞ!
「まぁ難しい事は頭の良い人の研究に任せましょう。俺は単純に
普通の通路では
何ごとも、発想の転換だね!
「それでは調理道具なんですが……今回は持って来てないので現地調達です! この岩の壁を使いましょう。――ほわたぁッ!」
〈
〈おまw 素手で岩盤砕けるならピッケルいらんかっただろw〉
うん、実はピッケルなんて要らなかった。
在った方が
結局、無駄に借金を増やす結果になったけどね!
「はい、これで
土属性の魔力を加え、岩盤を鍋や食器のように形状変化させて行く。
石器の方も研ぐ時間が惜しいので――ある程度は形状を
仕上げの部分だけ、他の石と
これも雰囲気作りの
「……魔力で岩と触れあいながら形状を整えていると、まったりしてきますね~。まるで焼き物を作っている様な……」
〈本職に謝れwww〉
〈魔力の緻密なコントロールが異常過ぎて、まったり出来んのよw〉
〈10年間ダンジョンで生き抜いたって経歴が無ければ殴りたく成る程に綺麗な魔力制御……〉
「さぁ道具が出来た所で、次は燃料なんですけど――」
――スッと、俺はドローンに積んである収納箱から魔石を取り出してカメラに見せる。
コメントは「なんだなんだ?」、「魔石を燃料に?」、「マルチバース社じゃないんだからw」と盛り上がっていた。
メタバース社は魔石を現代科学のエネルギー資源にしたって聞いて驚いたけど、俺はもっと原始的なエネルギーとしての利用方法を知っている。
「魔石は燃料に出来ます! 道中モンスターから抜き取った魔石が7個。……ちょっと数が心許ないし、今日は赤字なので――魔石を回収して来ます! これからの場面は今日の企画に関係ないので、トイレ行きたい人は今のうちにどうぞ!」
〈見せ場に合わせて視聴者を気遣ってくれるのは有り難いw〉
〈本来の開拓配信ってバトルメインなんだけどwww〉
〈確かに今日はバトルはもう腹一杯。ちょい離席〉
そうだろうね~。今日6回目となる食料庫に巣食うモンスター狩りだからね。
皆いい加減に飽きてくるだろうと思ってたよ。
そんな訳で俺は視聴者サービスをする事もなく、魔石となる範囲に抑えたダメージを与えモンスターを殲滅して行く――。
「――はい。それでは準備が整いました! どうせならオシャレな物を作りたいですよね。まずは丁寧にミノ肉の皮を剥ぎ取ります。この皮もしっかり使いますよ~。お肉はブロック肉と、厚切りスライス肉に切り分けます」
〈おぇええええええ〉
〈グロい……〉
〈ガチ飯テロ枠〉
〈命をいただくって事はこういう事だ!〉
凄く良い事を言ってるコメントがある。
俺もそう思いますよ。
多分そろそろ、ミノタウロスさんは魔素を練り固めて新たな足を生成している頃かな?
命まで刈り取った訳じゃないけど、食材への感謝を忘れちゃダメだよね!
「ブロック肉にフォークのような細かい穴を開け、塩をまぶします。同じように、スライスした肉は磨製石器で
ドローンの光に照らされていると手元が本当に良く見える。
魔力を目に凝らさなくても楽々と料理が出来るのは嬉しいな~。
文明の力って素晴らしいね!
「その間に、明日以降への仕込み。魔石は属性を持たせた魔力を適量注ぎ込むと、魔力が
〈うぉおおおッ! 魔石が光ったぁあああッ!〉
〈目が、目がぁああああああッ!〉
〈流れるように新説を実証するの止めてくんない?w〉
〈頭がパンクしそうだよぉおおおwww〉
「この発光する魔石を数個、奥の
俺がダンジョンに住んでいた時は、どういう訳かこうして光を当てておくと
光合成なんて出来ようはずもない暗闇の中で植物とか菌類って繁殖するのか~と驚いた瞬間だったな。
植物性モンスターは食べていたけど栄養が余りに肉食へ
今回は
そう思うと現代の文明的な暮らしって、本当に恵まれてるよな~……。
改めて、だけどさ!
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