第33話 俺、何かやっちゃいました?
「――なんと……あれだけ討伐したのに、ここまでの往復途中でモンスターから抜き取った魔石7個のみ! 約70グラム、つまり――俺の取り分は700円! 今日の収支は、マイナス3万1300円です! うわぁ~……。あれだけ頑張ったのに借金がドンドン増えて行くとか……」
〈700円w〉
〈あれだけやってラーメンも食えないレベルとか、涙が出てくるw〉
〈ラーメン喰えないレベルじゃない、むしろマイナスなんだよw〉
「え~っと……。今日の反省というか、次はどうすれば良いのか、
〈応援してる〉
〈お兄様応援してます!〉
〈
〈俺もアイテムドロップについて調べるわ!〉
おぉ、皆が優しい!
借金が増えたのは悲しいけど、捨てる神あれば拾う神ありってヤツかな?
いや、美尊には見限られた訳じゃないから、ちょっと意味が違うか。
美尊に見捨てられたら……俺、泣いちゃうよ。
もう24時だし、美尊は寝てるよなぁ……。明日の朝、メッセージをしてみるか。
「それでは皆さん、また次回の配信でお会いしま~しょうっ! ありがとうございました!」
終わりの挨拶をした後もコメントは続くが、頭をペコペコと下げて配信を切らせてもらった。
今日はダンジョンへ来るのは自分の足だったけど、迎えは川鶴さんが来てくれているらしい。
今日起きた問題とか、これからの配信内容だとか、借金返済に繋げる企画の相談……してみるか。
マネージャーなんだし、マネジメント業務の一環として許されるよね?
セクハラとか言われないよね?
嫌だよ、借金62億円にセクハラ
ま、まぁ多分。大丈夫だろう。
1人で悩み続けても
「――大神さん、お疲れ様です」
「川鶴さん、あちがとうございます」
階段を上りギルド受付で魔石の換金を終えると、川鶴さんが声をかけてくれた。
なんか……いつもより疲れた表情をしている?
そうだよなぁ。今はもう24時ぐらいだ。始業時間は知らないけど、こんな夜遅くまで働いているんだから。
姉御、労働基準法は守ってますか?
「川鶴さん……。大丈夫ですか? お疲れのご様子ですが……」
「大丈夫ですよ。半分は大神さんのせいですけどね……」
「やっぱり、担当の俺がこんな夜遅い時間に配信する事になってしまったからですか」
「違います、そっちじゃない。……運転中に後ろに座る美尊さんのスマホから聞こえて来た――『今日の配信目標』を聞いた瞬間、一気に疲れました」
「え!? 美尊と居たんですか!? み、美尊怒ってましたか!?」
「怒ってたというより、
「呆れてた!? そ、そんな!」
「私は泣きそうになりましたけどね」
「そんなですか!?……俺、一生懸命に借金を返しつつ盛り上げようとしたんですけど……。やっぱり、ダメだったんですね」
ショボンと落ち込みながらそう尋ねると、川鶴さんは口をモニュモニュとさせて俯いた。
どうにも
俺の配信を見て泣きそうになったとか言ってるし、配信者としてグレーな部分に触れてしまったのかな? 実はお金儲けは
「いえ、配信でお金を稼いで借金を返す事は悪い事ではないです。
ええ!?
最高な企画なのに、最悪なタイミング!? 俺、恨まれちゃうような酷い事をしたの!?
原因が分からない! 全く意味が理解出来ないんですけど!?
「た、タイミングとは一体!? 美尊も言ってましたけど、どういう事です!?」
なんなの、それ!
タイミングって言葉、うちの事務所で流行ってるの!?
「……私の口からは言えません。それより大神さんもお疲れでしょうから、寮へ帰りましょうか」
「あの……その前に。実は川鶴さんに、ご相談したい事があるんですけど……。車内で話した方が良いでしょうか?」
「相談、ですか?……それでしたら、ギルドの待合室にあるソファーを借りましょうか。ダンジョン付属のギルドは24時間営業ですし、膝をつき合わせての方がキチンと話せると思いますので」
テーブルを挟むようにソファーが置かれた、まるでカフェスペースのような
ちなみに――どうぞ座って下さい。いや先にどうぞ。いやいや先にどうぞなんてコントみたいな
流れを断ち切るべく、申し訳なく思いつつも俺から先に座らせてもらった。
川鶴さんが向かいのソファーに座るのを見てから、俺は相談を切り出す。
「お疲れなのに、すみません。実は――」
俺はダンジョン内で起きた
―――――――――――
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