天地日種ノものがたり

笑満史

Seed


//class 01 《Kanon》


//Seed:~/True World=Kotonoha$ xy.αΩ 真世界への挑戦権を取得。

#colorful"Seed" //天花創紀より生成されたものがたりを記述。

#verse<apocalypsis> //過去と現在と未来のものがたりへ接続。

#chorus<flower twisting> //撚糸よりいとの花音を文字列へ、そして歌へ。

using namespace std; coding(musubi & mikoto<story>);


kotonoha kagahi () {

twisting Lenka = "かつてぼくは \n"; twisting Iris = "わたしは";

twisting αetΩ = Lenka + Iris; //帝と后の運命の撚糸は繋がる。

Seed<< αetΩ.c_str() << endl; //aとΩの言葉を出力。

printf("世界を憎んだ \n");

return 0; printf("世界を愛した");

} //日とは何なのか。全世界の謎を解くのも一興だ。


/*ある晴れた日のこと、ひとりの男子は花壇を前にして本を読んでいた。


<Ω>さて、下準備に取り掛かろう! ……いやまて、その前にこのセカイの謎を一つと、年代記を一つ語ろうではないか。聞いて分かるか分からないか? いやいや、聞いても分からぬ他に誰も笑ってはくれませぬ。しかし笑う門にも笑わぬ門にも福が来ますゆえ、誰も笑わせたことのない僕の語りを聞いてくださいな。


 おやおや、僕の性格にも困ったものです。本当は読み聞かせるのが好きなだけでして、義務でやるわけではありません。なので今だけは幼き日のこころを思い出し、ゆるりゆるりと時間と我が語りに身を委ねてくださいな。


 寄ってらっしゃい見てらっしゃい、語り部による日花語りが始まりますぞ。なになに時間の無駄にはさせません、きっと面白い語りになりますよ。面白くなかったら時間の無駄ですと? いやいや面白いこと間違いありませんよ、なにせこの語り、次代を担う日人ひのとに読み聞かせるだけでなく、観てもらうためにもあるのですから。怠惰な所業は一切なく、全ては繋がった一つの輪、語り部の僕の時間も無駄ではありませんよ。


 おっと、そろそろ始めないと日が暮れてしまいますね。すみませんすみません、お待たせいたしました観客のお方々。


 それでは花たちによる日の語りをご披露いたしましょう。


現世界エデンより――植生代終世紀【物の語りの黙示録】第十一終末セカイ第一節。彼の一族より創られし現世界、それまさに理想郷まさに楽園、故に帝と后が眠るには光届かぬセカイ。眠り眠りの全世界見渡す眠りの中、帝と后は取り返しのつかぬ日無き種たちから目を背けた。己らの創造せし土地はいまや日無き死の土地、土地に色有れど死屍累々四季折々の永久不変なる完成された土地。現世界もまた運命に従うより他ない土地であった。しかし運命に抗う希望もまた日無き死の土地より醒める、その一つに現世界あり。現世界の真意、それ即ち挑戦者を待つ土地にしてセカイへと散らばった語りを取り戻す土地。彼の者たちの始まりこそ世界の土地であった、終わりこそ現世界の土地であった、そしてまた始まろうと全世界へ産声を上げる。始まりの産声はもう一つの産声と共鳴し、また一つまた一つと数を増やす。赤子ややこ共の鳴き声を耳にする森羅の母も万象の父もこれには眠っておられず、光届かぬセカイへと差した輝きが本物なのかと永久不変から目を覚ました。和声により全世界始まりはするが、いずれも終世紀の年代記を繰り返すもの。だからこそ最後の挑戦者となりうるけもの、永久不変の名を持つ戻りゆくセカイを崩し、繰り返されたる劇中劇に終止符を打つ。一つの物語の黙示録、語り継がれる黙示録、日の黙示録。日は昇るのか沈んだままになのかと思い耽る帝と后、ふたりは起き上がり、見極めるため真の土地で挑戦者を待つ。けものどもの裡に宿る小さき日種、全ての黙示録の果てでどのような成長を魅せるのか、枯れて魅せるか咲いて魅せるか、はたまた咲けば散る只の黙示録となるか。書き記されるは黙示録、描き記されるも黙示録、では最後に書きも描きもされるは物の語りか黙示録か」


 終末セカイの始まり始まり。と、はてさて、の〝ものがたり〟はどう転がりゆくのか……歌舞伎歌舞かれ、踊り踊るはもののあはれ。


 ではでは、僕は下準備に取り掛かりますので、後の語りはふたりに任せるとします。</Ω>


 こうしてひとりの男子は花壇の前から姿を消した。


 次に花壇の前に現れたのはひとりの女子だった。


<a>あら、あのヒトにも困ったものね。昔の本を引っ張り出してきたと思ったら片付けもせずに……あらあら、これは懐かしいものがたりを。


 と、女子は十一冊の本をまとめ、次にバラバラになっている紙をまとめた。


 すべての本と紙をとじたひとりの女子はにっこりとお花のような笑顔をして、


「この物の語りは、日種共が円環の土地へ根を張るまでの>>ものがたり<<」</a>*/

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