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  • 52 あとがきへの応援コメント

    完結おめでとうございます。素晴らしい物語を紡いで頂いてありがとうございました。SSも読みましたが、今作についてはここで所感を述べさせていただくのがいいと思い失礼します。
    蘭ちゃんに会えたのは、自作のなかの「非倫理」をとても信頼していた読み手さんから拒絶されて、自分が非倫理的な人間なのではととても悩んでいた時です。人間の強さ弱さ、ありのままの姿を書き出すには超えねばならないものがある、それがわたしの信条でもありますが、それが伝わらなかったことに大きくショックを受けていたときに蘭ちゃんに出逢えたのは救いでした。のめり込むように読み、拙いながらのレビューも書かせていただきました。自分の二十代の頃、そのころから引きずっている、こころとからだのやるせなさ、蘭ちゃんの倫理を超えた軌跡は、それらを肯定はしないものの「それも人間のあるがままの姿である」という言葉を日々投げかけていただけたように思います。倫理では図りようのない逡巡もやるせなさも超えて、それの良し悪しは後から判断するとして、人間はそのとき生延びるための選択をする。わたしが受け取れたのはそういうメッセージでした。惣山さんが目指すところと違ったらすみません。
    ものがたりとしては、軟着陸といった感でした。もっとカタルシスを呼ぶような悲劇的な展開も予想していましたが、淡々と人間の生と性を描いて見せたこの作品にふさわしい終わり方のように感じます。それでいいんだと思います。
    あと、私見ですが、わたしはどうしても蘭ちゃんから「魔性の女」というイメージが湧かなくて。たしかに行動はそうなんですけど、彼女の「乾き」「衝動」になんとはなしに身に覚えのある感がある自分としては、なんでしょう、生きる欲求に素直にただ彼女は生きているだけなのかなと。ただ人間の内面とは見えないものですから、そういった達観を超えて行動していける人間は、端か見たら「魔性」を持つ人間になり得るのかも知れませんね。
    綺麗事でない、善悪でははかれない人間の姿を書いてくれたことに心から感謝いたしております。文学とは架空を書くからこそ、そういった可能性を秘めているんだと改めて思いました。ほんとうにありがとうございます。
    いつか惣山さんと(と、蘭ちゃんと)ショットバーで飲む夢を勝手に見ています。当方、致死レベルの下戸なんで難しいでしょうけど、夢は夢として。

    作者からの返信

    最後まで蘭ちゃんを見守っていただき、本当にありがとうございました。
    蘭ちゃんは最後まで「あるがままに生きる」ことを貫き通したキャラクターでした。そんな彼女を通して、私も「倫理とは何か」「性愛とは何か」を見つめ続けた執筆期間でした。
    正直、万人受けしないキャラクターではあると思いながら書いていました。ですが、ほんのわずかな層をつつくことができたら……と狙ってやりました。まさかつるさんを刺せるとは。そういう背景があったのですね。
    いつか本当にショットバーで飲みたいですね。ノンアルコールカクテルもありますし、ぜひご一緒したいです。
    本当にありがとうございました。つるさんの優しいお言葉が何よりの励みでした。これからの原動力にします。
    つるさんの「てんえが」も楽しみにしています。小説家としてつるさんと出会えて本当に良かったです。これからもよろしくお願いします。