第55話 書いてみた

昨夜、頑張りました。

上手に書こうとするからダメなので、下手でもなんでも、とにかく書いてみようと。


また書き直すかもしれませんし、このアイディア自体ボツになるかもしれません。

それでも良いのです。

せっかく書いたので公開しておきます。恥ずかしいですけども、「執筆の恥はかき捨て」が座右の銘なので、よいのです。


本当の冒頭なので、ストーリーを動かしながら、どのような登場人物がいるのかをできるだけ自然に説明するのが難しいところです。群像劇ってこういうところが大変ですね。


木下の年齢は敢えて書かなかったのですが、おそらく読者さんの脳内イメージでは三十代だと思ってくれるかな? と。

菅野も書いていませんね。これも、課長だから五十歳くらいかなと想像してもらえるかなと……。


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「今年度は、何かおもしろいことをやってみたいと考えています」――四月に入って間もなく、週一の定例会見でそう佐伯市長が語った時、木下は(困ったな)と思った。なぜなら、佐伯市長の意見を元に政策に反映するのが木下の所属する企画政策係の主な業務で、これがなかなか大変なのだ。


 企画政策係はこれまでも市長のリーダーシップのもと、市内の歴史的建造物の有効活用や小学校のカリキュラムの工夫など、いくつかの政策を実行に移してきた。すべてはA市で進む過疎化を食い止めるためなのだが、劇的な効果があったかと問われれば、そうだとは言い難い。ペースは若干緩やかにはなったが、依然として、電車で三十分ほどの位置にあるB市への人口流出が止まらない。


「市長、おもしろいことって、どんな感じですか?」


 昼休み。ランチ持参で市長室の会議机を囲んだ企画政策係四人の中で、最初に質問したのは内藤沙月だ。三十代になったばかりで一番年下だが、積極的なのだ。


「具体的には考えていないんですが、イベント的な――老若男女が楽しめる――何かがあればいいかなと」


 市長はサンドイッチのパックを開けた。


「……運動会とか?」


 課長の菅野は、どんな時でもアイディアを出そうとする。


「それだと、お年寄りは厳しいかも知れません」


 冷静な美香は係長で、四十代半ば。


「百人一首大会とか?」


 木下も控えめながら意見を述べてみる。


「お年寄りでも、できる人は少ないと思います」


 市長は感じのいい笑みを浮かべた。


「まあ、そういうわけで、いつものように皆さんの力を借りることになって恐縮ですが、何か考えてみてください。いい案が浮かんだら、随時共有してください。副市長には私から話しておきます。何かいい意見を出してくれるかも」

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