外科手術待ちの俺が内科の美人看護師を嫁にするまで
ヘタレちゃん
第1話 潰瘍性大腸炎という難病
「なんで俺なんだろう、、、」
このフレーズを何回口ずさんだのかな。
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なんか癌とか患うとそう考えるみたいだけどね。
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うん、俺のはそうそう死ぬ病気じゃないのは分かってる。
でもさ、、考えちゃうんだよね、、、
なんで俺なんだろう、、って。
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思えば20代の終盤からは、だましだましやってきていた。
悪友(いや、もうぶっちゃけちゃえば親友)の三月(みつき)にも話してなかった。
話さなければ「俺ちょっと腹が弱くて、トイレ近いんだ」ですむから。
あいつにだけは、こんな弱い自分を見せたくなかった。対等な立場でいつまでも一緒にばかをやっていたかったんだ。
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ばれたのは呆気なかった。
とある商談成功の打ち上げ飲み会。
三月とは会社こそ違うがお互いの持ち玉の長所を併せあって一緒にプレゼンを続けている。
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いつになく調子の悪かった俺は、飲み屋のトイレで大量の下血を起こした。下血自体は珍しくなかったのだか、運悪く貧血も起こしてしまい、結果血だらけの大騒ぎを起こしてしまった。
運びこまれた病室で俺の目に飛び込んだ二人の立会者。
一人は三月、医者に病状を聞いたんだろう。えらい怒っている。
だけど、それ以上にヤバいもう一人が、未だ泣き止まないこいつ。
沙織「ひぐっ、、秋山先輩の大バカ!!」
速見(速見は旧姓、現、桂木沙織。昔の部下で三月の奥さん)~!、お前は俺の奥さんでもなんでも無いんだからいつまでも泣いてるんじゃねえ!!
大体、、、怒られても泣かれても、、、やるせないのはこっちなんだよ、、、
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潰瘍性大腸炎、、難病。
今は安倍元総理の病気として、当時よりは認知されてるかな。
原因、、、不明。
治療法、、、内科的処置を優先、予後不良の際は、外科的措置に移行、すなわち大腸摘出手術(2000年当時)。
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俺の名は秋山秋男。とある外資系保険会社で部長職、、だが今は、あの三月たちに病気がバレた大量下血入院から続く、長い入院加療で半分リタイヤ中。
あの頃は、すでに二回の内科入院療法の結果が、、、あまり良くないとの告知が来ていたときだった。
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