第4話 耳かきしながら、昔を懐かしむ?

//SE:主人公の背後渡されたビニール袋をあさる(渡された耳かき道具を確認)

//ボイス位置:真後ろ

//演技:

【幼馴染】

「むぅぅぅ~、これが陽に転生した者の力か。

 私の髪をめちゃくちゃ丁寧に洗われて、おまけにサラサラにされた」


【幼馴染】

「しかも、耳かき棒もなんか高めの奴だし。

 もうここまでできるのなら、

 そのままお主一人で――」


【幼馴染】

「あ、うそうそ、今のは拙の悪いくせですね。

 だから隙あらば、スマホ出すのやめてくださーい」


【幼馴染】

「とりあえず準備は終わったから。今座るので、

 そのまま拙のお膝に頭をあずけてくだされ!!」


//SE:その場で正座する

【幼馴染】

「はい、今座りましたぞ。では、頭どぞ……」


//SE:主人公 その音を合図に幼馴染の膝の上に頭を載せる

//ボイス位置:正面 

//演技:少し驚く

【幼馴染】

「ふぉ……お、おぉ……!?」


【幼馴染】

「あっ、その……い、痛いとかでなくてですな。

 太ももの上に受ける、頭の重みに少々驚きまして」

 

【幼馴染】

「ぁ、これまでに耳かき実習が何回かあったのでは? 

 と野暮なツッコミはなしですぞ」


【幼馴染】

「拙はこういう感じですので、相手が怖がって、

 いつも頭預ける側で固定してくれるんです」


【幼馴染】

「だから練習もはじめてですし。

 そのお相手が勝手知ったるお主というのもあって、

 少々、いえかなり舞い上がっている感じ……です」


「あ、でもやることはやるので、頑張ります」


【幼馴染】

「あ、あと……今はいいのですが、

 右上を上にする際はもうすこし頭を下げてくれると……その……」


【幼馴染】

「今、拙のぽよぽよお腹が、

 お主の頭に当たってしまいまして……申し訳ないというか、

 あ、はい、当たらないようよろしくお願いします」


【幼馴染】

「じゃあ、さっそく移動……どうぞ」


//ボイス位置:正面⇒右

【幼馴染】

「お、オッケーですぞ。位置取りも大丈夫ですし、

 最初は……耳の様子をうかがう……でしたっけ?」


【幼馴染】

「ならお主のお耳の中、隅から隅まで見尽くすぞ。

 そら、お覚悟ー!」


//演技:顔を寄せて、耳穴の中の様子をうかがう 

【幼馴染】

「ふむふむ……なるほど。

 ここは……こうやって取ればいい……のかな?」


【幼馴染】

「おい、今、頭ゆるふわ女子がいきなり

 やる気になったとかディスる声が聞こえたのですが!?」


「拙だってやりたくないですよ、こんなこと。

 でもやらなきゃ、パピヨンちゃんとの楽しい日々が無くなるの」


【幼馴染】

「というか、頭ゆるふわ女子ってなにその不名誉な形容詞は!

 ゆるふわじゃなくて、ぐうたら! いや、それもっとひどい!」 

 

【幼馴染】

「あ……今のノリツッコミは完全にお主の責任ですからね~。 

 ノリ良すぎる拙も悪い? それは……万理ある!」


【幼馴染】

「はいはい、遊んでばかりだと埒が明かないですぞ。

 今のはお主が悪いからですね」


【幼馴染】

「とにかく、やる場所も大体決まりましたし……りら~っくす♪」 


//SE:耳かき棒を手に持つ

//SE:耳穴の中へ耳かき棒を入れる

//演技:傷つけないように慎重に注意深く耳かき

【幼馴染】

「…………」


//演技:少し心配そうに尋ねる

【幼馴染】

「えっと……なるべく軽めにやってますが……。

 あ、もうちょい強めで? ならこんな感じ……」


//演技:探るようにしつつ、耳かき

【幼馴染】

「………………」


【幼馴染】

「お、お顔の緩みが見て取れる。

 なら、これでよさそう……みたいですな……。

 いや、拙が本気を出せばそれぐらい造作もありませんがね~」


//演技:少し自信を出しながら耳かき

【幼馴染】

「………………」


//SE:耳穴の中の耳かきを終える

【幼馴染】

「よ、よし。取れました……かな

 そしたら…………へ? 耳かき棒の掃除?」


//演技:知ったかぶりな演技

【幼馴染】

「え、ええ……掃除、掃除。こまめに掃除!

 もちろん知っていましたぞ! 

 今のはお主が気付くかテストを――」


【幼馴染】

「……ぅ、ご、ごめんなさい、知りませんでした。

 つい楽しくてやっちゃっただけです」


【幼馴染】

「けど、お掃除なら耳かき棒を抜かなきゃですよな。

 そうなると、ジッとくださいますようお願いしまーす」


//SE:耳かき棒をゆっくり引き抜く

//演技:引き抜いた後、垢を見て驚く

【幼馴染】

「お~、これはたしかに掃除しないとですね。

 てか、人の耳ってこんなに溜っているんだ~」


【幼馴染】

「なるほどな。こまめに掃除する意味、理解しましたぞ。

 じゃあ、その耳かき棒をお掃除お掃除~♪」


//SE:耳かき棒で取った耳垢を拭き取り

//演技:掃除に専念

【幼馴染】

「…………」


//SE:耳かき棒で取った耳垢を拭き取り終える


【幼馴染】

「ん、続きをやっていきますぞ

 そら、再び耳かき棒をお耳の中へだーいぶぅ♪」


//SE:耳穴に耳かき棒を入れる

【幼馴染】

「……お、おお……一度拭いたことで、

 耳かき棒が……スムーズに奥まで入っていく」


//演技:狙っていた垢を見つけて、やる気を出し始める

「そしたら……お、あったあった、大きいのが。

 そら、そのまま取られるがいいですぞ」


//演技:少し力を入れる

【幼馴染】

「………………」


【幼馴染】

「……うい~バッチリ取れましたぞ~。

 ちょい力を入れすぎた気もしますが……」


「……うん。見る限り、問題なさそうですな。

 それじゃあ、もうすこしだけ……」


//演技:丁寧にけれど確実にとる

【幼馴染】

「………………」


//SE:耳かきを止める

【幼馴染】

「……おーわり。これでお耳から垢の除去完了」


【幼馴染】

「そしたら、このまま掃除ですよな。

 ふふん、学んだことを次に生かす女!

 それが拙ですぞ!」


【幼馴染】

「さあ、耳かき棒……お耳から脱出しますので

 掃除までの間はしばしお待ちを」


//SE:耳かき棒を引き抜く

//演技:取った垢を見て少し嬉しい

【幼馴染】

「おおー、かなり細かいのも取れましたぞ!

 日頃からゲームで鍛えてるかいがありましたな。

 じゃあ、さっそくお掃除、お掃除~」


//SE:耳かき棒で取った耳垢を拭き取り

//演技:照れながらも掃除をする

【幼馴染】

「…………」


//SE:耳かき棒で取った耳垢を拭き取り終える 


【幼馴染】

「おーわり♪ そいじゃ、左耳を上に――」


【幼馴染】

「――の前に、一個忘れておりました。

 耳かきしたら、こうしなきゃですよな~」


//演技:耳元に接近してかわいらしく耳をふー

【幼馴染】

「……ふぅぅぅ……」


【幼馴染】

「お~? 顔が赤いですな。生娘ですか、お主は~?

 こんなの授業中、陽の者たちがやってることでしょ~」


【幼馴染】

「あと耳にふーするのは拙をからかう罰ですぞ、てへぺろ☆」


【幼馴染】

「ふぇ!? せ、拙も顔が赤い?

 そ、そそ、そんなことないっての!

 というか、こっちの顔を見ないの!」


【幼馴染】

「ほら、さっさと反対のお耳を上にしてくだされ。

 合図したらごろーんですぞ、3.2.1」


//ボイス位置:右⇒左へ移動

【幼馴染】

「ごろーん」


//ボイス位置:左

【幼馴染】

「よしよーし! それじゃあ、

 こっちもはりきってやっちゃうぞ」


//SE:左耳にふれると傷跡を見つける

【幼馴染】

「じゃあ、ひだり……み、みを……」


//演技:傷跡を見て、気付く

【幼馴染】

「…………っ! こ、これって……」


//演技:動揺しているので、口調が崩れる

【幼馴染】

「……へ? ぁ、い、いやなんでもないよ、なんでも」


//演技:誤魔化すようにいう

【幼馴染】

「ちょっと、気が緩んでたみたいで……大丈夫大丈夫。

 はい、お耳の中観察させてもらいますよー」


//SE:左耳の傷跡の部分を軽く引っ張る

//演技:傷を触っても何もなく小さい声で安堵する

【幼馴染】

「あ、なんとも……なさそう。

 そ、そだよね。あれから数年経ってるし……」


//演技:大丈夫かと問われて、ぎこちない言い方

【幼馴染】

「へ? あ、だ、大丈夫大丈夫。

 気分が悪くなったとかじゃないから、やるよ」


//演技:張りきって誤魔化す

【幼馴染】

「じゃあ、耳かき、よろしくお願いしまーす」


//SE:耳穴の中を耳かき

//演技:傷跡が気になり、少し注意散漫

【幼馴染】

「…………」


//演技:主人公が身じろぎ、粗相をしたと勘違い

【幼馴染】

「……ひゃあ!? えっ……ちょっ、なんで急に動いて……

 あ、もしかして痛かったとか? ご、ごめん」


//演技:おかなびっくりであまり力が入らない演技

【幼馴染】

「………………」


【幼馴染】

「ぇ? こ、今度は全然動けてない?!

 あ、えっと、じゃあ、もうすこし力を入れるから……」


【幼馴染】

「だっ、大丈夫大丈夫、大丈夫です。

 あ、でもちょっと息吸わせて……すぅー、はぁー、すぅーはぁー」


【幼馴染】

「……うん、これで大丈夫。気を改めてやり直すぞ」


//演技:心配をかけないように気を引き締めて慎重にやる

【幼馴染】

「…………」


【幼馴染】

「カキカキ……カキカキ……。

 ここはこしょこしょ……こしょこしょして……」


//演技:慎重かつ丁寧に手を抜かず耳かき

【幼馴染】

「…………」


【幼馴染】

「えっと、こっちも……あ、大きいのあった。

 なら、ここもきちんと取って……」


【幼馴染】

「…………」


//SE:耳かきを止める

【幼馴染】

「……よーし、おしまい。

 じゃあ、耳かき棒のお掃除するから、ジッとしててね」


//SE:耳かき棒をゆっくり引き抜く

//演技:様子がおかしいのを悟られないように気丈に振舞う

【幼馴染】

「おー! これはなかなかの大物が釣れた。

 さっそく、お掃除、お掃除」


//SE:耳かき棒で取った耳垢を拭く

//演技:少し慌て気味に耳垢を拭く

【幼馴染】

「…………」


//SE:耳かき棒で取った耳垢を拭く

//演技:動揺

【幼馴染】

「よーし、終わり。これで……え?」


「だからなにもないよ。口調もたまには素の方がいいかなって」


//演技:指摘を受けてしどろもどろに取ってつけたオタク口調になる

【幼馴染】

「心配しないで。ホント気分が悪いとかじゃないから……ですぞ」


//演技:聞こえるか聞こえないぐらいの声で

【幼馴染】

「むしろこれは自分自身の問題というか……」


//演技:なんでもないように誤魔化す

【幼馴染】

「あ、いえ、なんでもありませんぞ。

 さあ、お掃除も済みましたし、動かないで~」


「耳かき棒、耳穴の中へとつにゅーしまーす」


//SE:耳かき棒を耳の中に入れる

//演技:主人公の耳の傷跡に意識を向けないよう、耳の中掃除へと意識を向ける

【幼馴染】

「……お! さっそくここに大物が……!

 なら、こうしてすくい取ってあげて……」


//演技:主人公に悟られないように耳かき

【幼馴染】

「………………」


//演技:集中して行う

【幼馴染】

「ん、大きいものは大体取ったから……、

 あとはこまごまとしたものを……取ってあげて」


//演技:手を抜かずに耳かき

【幼馴染】

「………………」


//SE:耳かきを止める

【幼馴染】

「……取れた。じゃあ、耳かき棒を引き抜きますぞ~」


//SE:耳かき棒を耳穴の中から引き抜く

//演技:耳元へ接近して、耳の様子をうかがう

【幼馴染】

「ふむふむ……だ、大丈夫ですよな

 けど肉眼でわからないこともあるし……失礼しまーす」


//演技:ふーとします

【幼馴染】

「ふぅぅぅぅ、ふっふっ、ふぅぅぅぅー」


【幼馴染】

「……あわわ、ごめん。そんなに痛かった?

 へ、そうじゃなくて、や、やりすぎ?」


「そ、そう? それならよかったけど……」


//演技:動揺して、口調が崩れる

【幼馴染】

「え……ちょっ、なんでにらまれる?!

 やっぱりなんか粗相を……へ? 

 左耳の耳かきし始めてからやっぱりおかしい?」


【幼馴染】

「い、いや、そんなことは……そんな……ことは……」


//演技:観念したように言う

【幼馴染】

「……言い切れない……よね」


【幼馴染】

「あ! でも勘違いはしないでね。

 具合が悪いとか、キミのせいとかじゃないの……」


【幼馴染】

「むしろ、私が嫌われるようなことというか

 あの時の自分と今の自分があまりにもひどくて、

 ちょい不甲斐ないなーみたいな……」


【幼馴染】

「え、話してみなって……それは、だ、ダメ……だよ。

 言ったらキミに嫌われるかもしれないし……」


【幼馴染】

「……お、おう。そ、そうなんだね。

 でも……えっと……でもな……」


【幼馴染】

「うぐっ! わかった。言う、言うから。

 でも、せめて心の準備をさせて。

 その耳かき棒の掃除をする間だけの時間でいいから……」


//演技:可愛らしくいう

【幼馴染】

「ダメ?」


【幼馴染】

「あ、ありがとう。じゃあ、ちょっと私のお膝で待ってて。

 今耳かき棒で取った耳垢を拭いてから、話しますから」


//SE:耳かき棒で取った耳垢をガーゼで拭く

//演技:気恥ずかしそうにしつつ掃除

【幼馴染】

「………………」


//SE:耳かき棒についた耳垢を拭く音で徐々にフェードアウト


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