044

縁側に二人で座った。花火が見えた。

花火が終わっても、二人で夏の夜を見ていた。ゆるゆると夜は更け、やがて少しずつ明るくなっていく。空は仄白ほのじらんで、鳥の声がした。薄い朝霧がかかって、足元の草は朝露に濡れている。

アオネは朝顔のグリーンカーテンの方を見やった。青く、細長いつぼみがほころんでいく。

朝日が差した。町が起き始める。遠くのスピーカーから、ラジオ体操の音がした。

「これが朝か」

青年は縁側から立ち上がって朝日の中で伸びをする。その体は少し透けていて、朝日のいくつかの筋がその体を通り抜けていた。

朝顔が咲いた。

「さよなら」

夏の幽霊は消えた。


~エンド1 朝~


プレイしていただき、ありがとうございました。エンドは全部で4つあります。4つのエンドを回収した後、特別エンドが解放されます。特別エンドは作者の近況ノートからチェックしてください。

プレイを続行する場合は、アイテム欄、実績欄はそのままで、001から再び読み始めてください。


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