垂仁天皇
崇神天皇は歴代天皇中、実在するかも?と考えられる最初の天皇(?は付くが)。
その第三子。
この方の時代で有名なのは
『伊勢』の始まり。
斎宮と呼ばれる特殊な巫女が天照を祀るようになったエピソードは超有名。
初代斎宮は垂仁天皇の娘。
次代の天皇(景行天皇)と同父同母の妹、
女性としての格の高さで『上』にたつのは
『皇后』である母と姉の2人のみ。
俗にいう『箸より重い物を持った事が無い』
女性(因みに斎宮に任命された折、何歳だったかがハッキリしない)。
この話で引っ掛かるのは
『天照大神を鎮座申し上げる所を求めて、
宇陀の笹幡に赴かれ、
改めて引き返して近江国に入り、
東方の美濃を巡って、伊勢国に至られた』
宇陀の笹幡は現代の奈良県宇陀市榛原区。
件の墨坂神社の周辺。
『墨坂の向こうは治外法権』の発想は
此処からきている。
笹幡から近江国へ行くのならそのまま
山間を抜ければすむからだ。
地図を見れば一目瞭然。
物凄く険しい断崖絶壁が続く様な道ならば
まだしも、電車が通れる位に安定した幅が
あるにもかかわらず『改めて引き返して』。
何かある!と勘繰る(勘繰りたくなる)のは
当然というものだろう。
が、今回の主題はこれでは無い。
もう一つ有名なエピソードがある。
『狭穂彦王の謀反』
皇后に立った狭穂姫の兄がタイトルそのまま
の行動を起こした。
まぁそれはいい。やり方が姑息だった。
皇后に立った妹に短剣を授け
『天皇が寝ている隙に刺し殺せ』……。
己の手は汚さずに目的を果たそうとする、
これぞ卑怯の見本。
意気地は無いが野心は有り余る小者は、それにふさわしい死に方をするが、妹の皇后は少々気の毒だった。
『天皇が皇后の膝枕で寝ている時に
『兄の目的を達する好機』と考えるが
同時に涙がこぼれた。
それを受けた天皇は目を覚まし見た夢を語る
『錦色の小さな蛇が首に巻き付いた。
大雨が狭穂から降ってきて顔を濡らした』
皇后はそれ以上隠し通す事が出来ず、
兄が天皇に反逆する意志を固めている事、
自分に言った事も含めて洗いざらいうちあけ『天皇が私の膝を枕にして眠っているこの時、兄の志を遂行すれば、労せずして成功するだろうと考え、それが終わらぬうちに涙が流れて帝のお顔に落ちました。
夢の錦色の蛇は懐剣、大雨は私の涙です』
と締めくくった。
天皇は即座に狭穂彦討伐のため兵を送った。しかし狭穂彦は軍を起こし、
稲を積んで城(キと読んで砦の意味)を造った』
政略結婚だったとしても、皇后様は垂仁天皇を愛していたと。兄が身の程知らずでなければと哀れだ。
さらに最後の『自ら後ろ手に縛られて捕らえられることができましょうか。首をくくって死ぬのみです』の言葉には高貴な生まれ故の誇りと気高さがにじむ。潔さには好感が持てるし。
最後は焼け落ちる城のなか、兄と共に死んで終わる。
ちょっとやるせない気持ちになりつつも
そこが問題ではなく。
『狭穂彦は軍を起こし、
稲を積んで城(キと読んで砦の意味)を造った』
のくだり。
稲を積んで城が出来るわけないだろう。
幾ら豊作に恵まれ、大量の稲があったとしても城(砦)を造れるか。
簡易の盾にはなりそうだけど。飛んでくる弓を防いだり、敵陣に突入する時には。
しかし城にはならないだろう、普通。
つまり普通に考えればこれは何かの暗喩。
稲は何をあらわしている?
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