黒森視点 はじめての人
私はすごく軽い女に見られる。
理由は分かっている地毛である金髪とやけた肌
自分で見ても遊んでいるように見える。
だけど、自分の好きな格好を貫き通したかった。
そんな、格好をしてると誰とでもヤル女と認識されてしまい学校にいる男子、街中色んな人から告白されたり、性的行為を要求されたりもした。
疲れた私に心配して近づいてくる男もいたが下心が隠しきれていなかった。
ある意味普通に迫られるより最低だと思う。
今日も近づいてくる男子に彼氏と用事があるからといって突き放そうとしたが無理矢理ついてくる。
そんなうんざりしていたところであの人を見つけた。
黒髪で量産型の髪型で身長は170後半ぐらいでだるそうな顔をしてる先輩に
「せんぱい、かわいい伊万里ちゃんを置いてどこに行くんですか!」
先輩を彼氏と言っても引き下がらないどころか無理矢理私の手を掴んで連れていこうとする男
痛い 誰か 助けて
先輩は見ず知らずの私を助けてくれた。
連れだすときに握ってくれた手の感触は不思議と不快感はなかった。
「お礼はいいよ。
白木隆二、前ノ原高校の一年だよ。」
先輩はお礼を求めなかった。
その事が気になり、先輩のことが知りたくなった私は色々な話をした。
通学の電車が満員で辛いこと
ゲーセンが好きなこと
おじいちゃん子なこと
料理が好きなこと
女の子達から嫉妬されめんどくさいこと
そんな話を先輩は一緒になって笑いながら聞いてくれる。
初めてかもしれない友達のよう話せたことは
聞けば聞くほど先輩のことを知れて嬉しくなる。
私のことも知って欲しくなる。
どんどん話したくなってしまうのは先輩が話しやすいからだろう。
最寄りの駅が違うため先輩と別れて帰路に着く。
連絡先を渡すのを忘れてしまったがまた近いうちに会えるだろうと対して気にしなかった。
家に帰り先輩のことについて考える。
先輩に向けるこの感情の正体はなんだろう?
私には分からない。
ただ一つ言えることは
先輩は私のはじめての人です
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます