平成23年6月14日(火)午前10時前、雨曇天。気温摂氏20度、いくぶん肌寒い。

 午前8時半ごろ、起床。昨晩の就寝が午前2時であったので睡眠時間は六時間半程である。その割に、ひどく睡いママこともない。・・・昨晩のうち「プレカリアートの憂鬱ゆううつ」を読了する。ほとんど、しっかり全頁読みきったのはめずらしい。しかし、読後感はわるい。結局、雨宮処凛以下書物に登場する十数名の者たちが貧困をネタにしてメシを食ったり世の中に出ていこうと暗闘する姿をえがいているだけの本であった。つまり、延々と語られる様々な貧困にたいする有効な対策は打ちだせず、しかも、貧困撲滅の青写真もない状態である。掛け声ばかりで実態がないのである。・・・昨日ぐらいから体調は小康状態である。・・・午后1時半頃、郵便局へ行き、ビリケンギャラリーで夏季開催されるアックス展への出品作品を青林工藝舎へ送る。送料390円は今の時期私たちには痛手である。手持ちの金は七千円程になってしまって、二十五日のマキコの給料日までは10日以上ある。・・・外出すると気分がかわるときがある。不景気な本ばかり読んでいると気持ちも暗くなるが、外界は案外平穏である。この世の三分の一の人が非正規雇用者で生活苦にあえいでいるとは思えない。早稲田通り沿いは家々が建ち並び、持ち家のようで、それらに住む人々が明日の日に野宿者になるとは思えなかった。私も安定安穏な人生であると仮想したいが、手許てもとの金が一万円をきると、そうそう笑ってばかりもいられないのも、ほんとうのところである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る