【水曜 08:01】妹が記憶喪失になっても、俺以外の家族は誰も悲しまなかった
少し復活したエアコン
第1話
「分かってる!!アンタのせいでお兄ちゃん高校行けないんだよ!!」
「やっていいこと、悪いことあるだろう。」
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
泣いて謝り続ける妹
「お願い、お父さん、お母さんもう言わないであげて」
「でも優。この子のせいでアンタは高校行けないのよ」
「そうだ、ずっと楽しみにしてたじゃないか」
「そうだけどね、でも俺はそれでも妹の悲しんで欲しくないから」
俺は妹が俺の嘘の情報を俺の進学先の高校に流した。そして、俺は高校の入学を取り消されてしまった。
妹がそんなことをしたのは、その日俺が間違えてプリンを食べてしまったからだ。
「まぁ、それにほら通信制とか、まだチャンスはあるしね」
ーーーーーー
あの事件から、少しして妹は部屋に籠るようになってしまった。
たまに部屋から出て来て会うんだが、
「死ね」
何故か俺は嫌われてしまった。
「春!!お兄ちゃんにそんな言い方!!」
母は俺のために怒ってくれているが
「まぁ、まぁ。お母さん。」
俺は例え嫌われていても、春が傷つく所は見たくない。
「なぁ、優。」
「何、お父さん?」
「いくな何でも、優しすぎじゃないか、そうやっていつも食事運んであげたり」
「お兄ちゃんだしね」
「だけどなぁ、」
「まぁ、俺がしたくてしるし」
ーーーー
夜
二人の会話が聞こえる。
「本当になんであんな子になっちゃったのかしら」
「夏、」
「最初は素直で、優しかったのに、ひきこもるようになっちゃって。」
「俺も悪い、しっかり教育出来なかったから、夏任せだったし」
「・・・そんなことないわよ。現にお兄ちゃんの方はとっても優しい子に育ってくれたじゃない」
「そうだな、兄の方は優秀で優しくて自慢の息子だな」
そんな両親の会話が聞こえて来たが、まるで妹の存在を否定するような会話だ。
両親は普段から優しいけど、あの時から妹には凄く厳しい。
出来れば、両親ももう少し妹のことを思ってあげて欲しい。
けど、そうなったのも、俺への愛が原因みたいな感じだし、頼み辛い。
ーーーーー
その日、妹が出て来て、顔が赤い
「春!!大丈夫か!!」
「大丈夫よ!!近寄らないで!!」
「でも、熱が!!」
「アンタに近寄られる方がよっぽど辛いわよ!!」
「春、良いからそこで待ってろ!!階段あるし危ないから」
「お願いだ!!今日だけは言うことを」
「あっ」
春が足を滑らせて、そして
「春ーーーーー!!」
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