闇に囁く過去:禁断の遊びと不可解な出来事

O.K

第1話:禁断の遊び

長い時間が経った今でも、あの出来事は私の中で鮮明に残っています。小学校時代、私たちのクラスは友情に溢れ、日々を楽しく過ごしていました。しかし、人間の好奇心と子供ならではの軽率さが、私たちを禁断の遊びへと誘い込んでしまうことになりました。


それはある日の放課後、私たちの一団が教室で集まっていたときのことです。何気ない会話が次第に重い空気へと変わっていきました。どうしてこんなことを思いついたのか、今となっては理解できませんが、私たちは「呪いの遊び」をすることになったのです。


誰が最初にそのアイディアを出したのかは覚えていませんが、ある子が「もしも…死者の声が聞こえたらどうする?」と言い出しました。最初は笑い話として始まったその話題も、だんだんと本気で取り組むことになっていきました。小さな小学生たちは、誰もが興奮と恐怖を感じつつ、その遊びに参加することになったのです。


遊びのルールはシンプルで、真夜中の校舎に集まり、暗闇の中で「死者の声」を聞こうとするというものでした。死者の霊や声など、そんなものが本当に存在するはずもありませんが、子供たちはそのスリリングなアイディアに引かれ、禁断の遊びに没頭していきました。


そして、その夜がやってきました。私たちは気を引き締め、校舎の裏手に集まりました。月明かりだけが頼りで、闇に包まれた校舎は不気味な影を作り出していました。私たちは手をつなぎ、固く約束しました。「死者の声」を聞いても、絶対に怖がらずに逃げずに耳を傾けるということを。


そして、時が過ぎていきました。校舎の中で夜風が吹き抜け、不気味な音が聞こえてきました。しかし、それは風のせいだと言い聞かせながらも、私たちの心は次第に不安で一杯になっていきました。すると、何かが風に乗って私たちの耳に届いたかのような気がしました。


最初は誰もが驚いていましたが、次第にその声がどんどん近づいてくるような気がして、私たちは身を寄せ合いながら、恐怖に震えました。声は急速に大きくなり、耳に響き渡るようになりました。私たちはもう逃げ出したい、遊びをやめてしまいたいという気持ちが高まっていました。


しかし、その瞬間、校舎の一室から不気味な光が漏れてきました。私たちは身を寄せ合いながら、その光を見つめました。そして、そこから聞こえてきたのは、まるで誰かが囁いているような声でした。恐怖と好奇心が入り混じり、私たちはその部屋に近づいていきました。


部屋の扉は半開きになっており、私たちはゆっくりと中に足を踏み入れました。すると、部屋の奥で何かが光るものを持っているような影が見えました。心臓がどんどん速くなり、私たちはその影に近づいていきました。そして、そこで私たちが目撃したものは、私たちの予想をはるかに超えるものでした。


部屋の中央には、ひときわ鮮やかな光を放つ「オウジャ」と呼ばれる呪術的な道具が置かれていました。その光は、まるで闇を引き裂くような力を持っているかのようでした。私たちは言葉を失い、ただただその光景を見つめていました。


すると、オウジャの周りに漂うような霊的な存在が私たちに向かって近づいてきました。その存在は透明で、儚げな姿をしていましたが、何か強大な力を感じさせるものでした。私たちは恐怖に打ちのめされ、声も出ないままその光景を見つめていました。


そして、その霊的な存在が私たちに対して何かを囁くように話しかけてきたのです。その言葉は理解できないものでしたが、私たちはその存在が何かを伝えようとしていることを感じ取りました。恐怖と好奇心が入り混じった感情が心をむしばみましたが、私たちはそのままその場に立ち尽くしてしまいました。


その後、何が起こったのか正確には覚えていません。私たちは恐怖に支配され、意識が朦朧としていました。次の瞬間、私たちは校舎の外に出ていて、夜の闇に包まれている自分たちを見つけました。何があったのか、どうしてあのような出来事が起こったのか、私たちは理解できませんでした。


以降、私たちはその日のことについては誰にも話さないことに決めました。しかし、私たちの中にはあの禁断の遊びと、オウジャ、そして不思議な存在のことがずっと引きずっていることは間違いありません。


今でもその出来事が私の中で鮮明に蘇ります。その恐怖と不可解さが私を追い続けており、時折悪夢として私の夢に現れることもあります。あの禁断の遊びをしてしまったことは、私たちの未来に影を落とすこととなりました。そして、今でも私はその出来事が何だったのか、どうして起こったのか、そして何を意味していたのかを理解しようとしています。

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