No19『習作:ニコニコ眺めるお姉さんはなぜ虫ガキを殺さなかったのか』 秋野てくと
※講評内で作品の内容に触れております。
致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、
一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。
ご了承ください。
◇◇◇
https://kakuyomu.jp/works/16817330661294136300
主催者投稿作です。つまり、私が書いた作品になります。
自分で書いた作品を自分で講評するわけにもいかないので、ここはスキップしましょう。
……代わりに、「この作品をどのような意図で書いたか」という裏話的なライナーノー卜を記しておきます。
「作家は作品で語るべし、作品外の情報は不要」というテクスト論的な考え方もありますので、興味がない方は次の講評に進む形でお願いします。
さて、蛇の足を書くことにしますか。
この時点で多くの作品が集まっていた上に、いずれも私よりもよっぽど発想も筆力も優れた力作揃いとなっていたので、正直なところ主催者作品を書く必要――あるかな? と考えていました。
そこで、現時点で主催者として新たに「虫ガキ」を世に問うとしたら、これまでの投稿作には無かった新たな視点の作品を提供する――それによって、これまで以上に自由に虫ガキを創作できる「場」に企画を成長させる、そんな一石を投じることができたら――そう考えたわけです。
ジャンルはミステリを選びました。
理由は二つあります。
一つは、この企画を考えた当初に頭にあったのがホワイダニット・ミステリの競作である『五十円玉二十枚の謎』だったから。(※「はじめに」を参照)
もう一つは、私が唯一得意とするジャンルがミステリだったからです。
ここで問題なのは、小説を書くに当たって私に欠けている能力は魅力的なキャラクターを創造する力であり、つまりは――魅力的なお姉さんや魅力的な虫ガキが書けないことにありました。
これまでの作品を読破した方ならおわかりだと思いますが、本企画において魅力的な作品はいずれもお姉さんと虫ガキの関係性にフォーカスを当てている傾向があります。
ならば、発想を逆転させよう。
「お姉さんと虫ガキに関係性が存在しないことをトリックにしてしまおう」、と。
そう考えたことで本作は生まれました。
「二人の世界」を徹底的に解体する他者が必要となったことで、探偵役の刑事たちが登場することになったわけですね。
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