No10『タイトルを入力(@を使用して以下略』 秋乃晃

※講評内で作品の内容に触れております。

 致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、

 一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。

 ご了承ください。

◇◇◇

https://kakuyomu.jp/works/16817330661319147287



「歴史は夜作られる」という格言があります。

真実とは、大勢に向けて公開される時点でかならず編集されるもの。


それは、虫ガキにおいても例外ではないのでしょう。


本作における「虫ガキをニコニコしながら眺めるお姉さん」の真意は、作中でも指摘されているとおり、ごく当たり前のものでした。

そこには謎に対する「答え」に求められるハードルを越えるようなツイストは存在しません。


ですが……本作の主人公は配信者です。


インターネットの存在により、現代という時代は、有史以来もっとも手軽に一般人が情報を公開しやすい環境となっています。

考えてみれば、カクヨムのような場所が存在し、誰でも手軽に世界中に自分の書いた小説を発表できる状況というのは、人類の長い歴史のなかでみれば極々最近の出来事なのです。


配信者によって世界に公開される「虫ガキ」と「お姉さん」の謎。


そこに面白おかしく手を加えて耳目を引こうという行為は、まさしく本自主企画そのものといっても過言ではないかもしれません。


ちなみに本作の冒頭には唐突にドラゴンが登場しますが、実はこれは同作者さんの別作品のエピソードに登場するキャラクターとなります。

虫ガキやお姉さんとは特に関係ありませんが、読んでみると意外な出自に驚くこと請け合いです。ぜひ、ご一読を。

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