No.02『そ、そうか!虫取り網の使い方は太刀と同じだったんだ!』 五十貝ボタン

※講評内で作品の内容に触れております。

 致命的なネタバレにはならないように考慮していますが、

 一部・ミステリ的なギミックなどの種を割ることがあります。

 ご了承ください。

◇◇◇

https://kakuyomu.jp/works/16817330661226887196



キッズアニメ!?


タイトルからしてわかるかもしれませんが、虫取り網の使い方は太刀と同じだった――そういうお話です。


本自主企画は「なぜ?」という謎を題目に掲げた競作ですが、その「なぜ?」をタイトルで示すという野心作ですね。

そのため、虫取りするガキをニコニコ眺めるお姉さんは「自分が化け猿の生贄にされているにも関わらず、なぜ虫取りするガキをニコニコと呑気に眺めているのか?」という疑問にも、おおよその答えは出ているとみていいでしょう。


だって、虫取り網の使い方は太刀と同じだった――わけですから。


この作品におけるお姉さんの立ち位置は、いわゆる師匠キャラとなっています。

「なんで師匠はこんなことをやらせるんだ?」という疑問は、実は鍛錬につながるものだった――まさにキッズアニメの王道ですね。


「お姉さんがニコニコ眺めていた」という「謎」には答えが出ますが、それ以上の「謎」が提示される――という構成は変化球的な面もあるかもしれません。


しかし、本作のような牧歌的な「日本昔ばなし」的な光景が、『鬼滅の刃』以降はスタイリッシュなバトルアクションとして脳内描写できるようになったのは時代の変遷として面白いなと感じます。


さりげなく少年をガキ呼ばわりしている地の文が好きでした。

口が悪い!

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