第44話

彼女視点

放課後になった。


私は優くんに今日は二人で学校に居たいから、遅くまでベンチでゆっくりした。


たまにはこう言う日があってもいいと思った。


「優くん、今日ね。頼みがあるんだ」


「・・・頼み?」


「うん!!・・・優くんそのね、」

いざ、言おうとすると照れる。


他の人なら平気で頼めのに、なんで優くんには頼めないんだろう。


「・・・キスして」


ーーー

優視点

優はここに来るまでトラウマのあの光景を思い出す。


彼女は目を瞑り、誘うような顔をする。



あの時見た時と同じ顔。


「なぁ、こうやって他の人にも頼んだのか?」


「えっ?」


「こうやって、他の人にもキスをするように頼んでいたのか」


「な、何を聞いてるの?優くん」


「こんなふうに、手当たり次第キスをして、」


「違うよ、こんなに恥ずかしくて、頼むのが恥ずかしかったのは優くんだけだよ」


「・・・つまりしてたんだよな」


「!!」


優は、キスをする為に近づけて居た彼女を離した。


「ごめん、キスは出来ない。」


「・・・そんな・・・優くん」

ーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る